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マーブルマシンビルダー 原田直樹インタビュー

アナログシンセからピタゴラ装置まで生み出す異彩のMaker原田直樹の世界

インターネット上の「電子楽器博物館」

 その後、就職した頃からは電子工作への興味は次第に薄れるが、シンセサイザー好きの方はさらに高じていった。そんな中、シンセサイザー好きの仲間として現在の会社の社長さんと知り合い、それが縁で会社も移籍。そこで出会ったのがインターネットだった。

「インターネットで自分のページが持てて情報発信できるって聞き、社長にいろいろ教えてもらって。で、コンテンツ作るなら、会社のサーバ使っていいよってなりました」(2年後に退去し現在のドメイン取得)

こうして1997年にスタートしたのが、1970~80年代のシンセサイザーのカタログやサウンドのサンプルなど、貴重な資料が掲載されたWebサイト「電子楽器博物館」だ。

当時はネットスケープなどのWebブラウザが登場し始めた頃で、文字中心だったネットの世界が、画像や音声を扱えるようになってきた時代。とはいえ、日本語のコンテンツそのものがまだまだ少数派だった時代に、電子楽器博物館は画像や音声ファイルをいち早く取り入れ、世界中のシンセマニアから注目を集める人気サイトとなった。 当時はネットスケープなどのWebブラウザが登場し始めた頃で、文字中心だったネットの世界が、画像や音声を扱えるようになってきた時代。とはいえ、日本語のコンテンツそのものがまだまだ少数派だった時代に、電子楽器博物館は画像や音声ファイルをいち早く取り入れ、世界中のシンセマニアから注目を集める人気サイトとなった。

インターネットがつなぐ人との出会いと電子工作との再会

電子楽器博物舘は世界中のシンセマニアから注目を集める人気サイトとなり、このサイトを通じてさまざまなシンセマニアとの交流が始まった。

「自宅に遊びに来た人からCDもらうと、自分で作ったLEDバッジをお礼にあげたりしました」

こうして、再び電子工作にも取り組むようになっていった。それまでは電子工作も曲作りも、誰かに見せるためのものではなく、それを作る過程を楽しむもためのものであり、いわば自己満足のためのものだった。しかし、ネットを通じた人との交流は、原田さんにとっての趣味のあり方を少しずつ変えていくこととなる。 

アナログシンセ・ビルダーズ・サミット

そして2006年頃から始まったYoutubeやSNSの流行が、再び転機となる。自身もLEDバッジの動画をYoutubeへ公開。他のユーザーの動画へのコメントやSNSでの交流を通じ、さらに交流の範囲が広がった。そうしたつながりの中で存在を知ったのが、アナログシンセを自作する人たちの集まりである「アナログシンセ・ビルダーズ・サミット」(ASBS)だ。

最初に作ったシンセサイザーは、ASBSで譲り受けた回路図をもとに製作した、YMOが初期のライブで使用していたポラードのアナログドラムシンセのクローン音源。ここに写る機体は、それをさらにコンパクト化したもの。パッドの形状もYMOが後期のライブで使用したシモンズのミニチュア版で六角形だ。ドラムシンセはメロディが弾けるシンセサイザーより単純なブロック構成だったこともあり、シンセサイザーの設計を学ぶのにも適していた。 最初に作ったシンセサイザーは、ASBSで譲り受けた回路図をもとに製作した、YMOが初期のライブで使用していたポラードのアナログドラムシンセのクローン音源。ここに写る機体は、それをさらにコンパクト化したもの。パッドの形状もYMOが後期のライブで使用したシモンズのミニチュア版で六角形だ。ドラムシンセはメロディが弾けるシンセサイザーより単純なブロック構成だったこともあり、シンセサイザーの設計を学ぶのにも適していた。

ASBSでの交流を通じ、原田さんもシンセサイザーの自作に挑戦。初めはヴィンテージシンセの回路図からクローン音源を作り、その経験から回路図の見方や部品の使い方を学んでいった。やがて、よりシンプルなテルミンをもとに、サイズや演奏方法に独自色を取り入れた、ユニークなオリジナル楽器を製作し始める。

フリスクにテルミンの回路を押し込んだ「フリスクミン」。実際のテルミンと同じビート発振による音源で、アンテナで2オクターブ程度の音程をコントロールできる。5000円くらいで販売したが、現在は全て販売済み。他にもボリュームで音程、筐体の伸縮で音量をコントロールする「ナオミン」、LEDの光をCdSで拾い音程や音色をコントロールする「怪電波野郎」なども製作。 フリスクにテルミンの回路を押し込んだ「フリスクミン」。実際のテルミンと同じビート発振による音源で、アンテナで2オクターブ程度の音程をコントロールできる。5000円くらいで販売したが、現在は全て販売済み。他にもボリュームで音程、筐体の伸縮で音量をコントロールする「ナオミン」、LEDの光をCdSで拾い音程や音色をコントロールする「怪電波野郎」なども製作。

こうしたオリジナル楽器は、新しい楽器を発明したいというよりも、既にあるものを自分流に改良したい、という発想から生み出されているそうだ。手作りであるにも関わらず、膨大な手間をかけて量産し販売するのも、量産に適した設計や部品選びを行うことで、作品がより洗練されたものになるという効果も期待しているから。

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