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マーブルマシンビルダー 原田直樹インタビュー

アナログシンセからピタゴラ装置まで生み出す異彩のMaker原田直樹の世界

子どもと遊ぶピタゴラ装置から生まれたマーブルマシン

シンセサイザーを作り始めたのと同じ頃、子どもと一緒にピタゴラ装置のような仕掛けを作り遊んでいた様子をビデオに収め、世界中に発信されることを前提に説明は全て英語で書いてYoutubeで公開した。すると、海外からたくさんの反応を得られた。

「昔からルーブ・ゴールドバーグ・マシンっていう無駄な機械が好きっていうのはあって。トムとジェリーのエピソードで、無駄なことを延々とやって、最後にトムがジェリーを潰すっていう機械をトムが作るんだけど、トムが計算間違いしてて自分のとこに重りが落ちちゃう、っていうのが大好き。そういうものを作って子供と家で見るのが楽しみでした」

こうした装置の仕掛けをモーターライズし、ボールの動きをループ化してマーブルマシンが生まれた。ちょううどその頃、Make : Tokyo Meeting などのものづくりイベントが急速に盛り上がりを見せ始める。原田さんもこうしたイベントへ出展すると、冒頭のように常に人だかりができる人気ブースとなり、動画への反響とともに製作のモチベーションとなっていく。

2011年時点でのマーブルマシン・クロニクル。5年前に既にこれだけの作品を作り上げていた。現在はマイクロ・マーブルマシンと称する、より小型のマーブルマシンのシリーズも製作。大型のものは、東急ハンズ名古屋店で展示/販売もされている。

ブレッドボードシンセで電子工作入門

そうしたイベントで最近販売しているのが「ブレッドボードシンセ」。もともとは、子ども向け工作教室のために考案した、ミニマムな構成の光コントロールシンセのキットだ。学生時代から続けてきたLEDを使った工作と自作アナログシンセ、そして子どものための工作が融合し、一つの作品となった。

極小サイズのブレッドボードに搭載されたシンプルな音源の音程を、CdSで受けた光の強さでコントロールする。光源としてのLEDも搭載し、ボード上にはスピーカーが搭載され、電池ボックスも付属。アンプや電源に接続せずとも、組み立てるだけですぐに音を出して遊ぶことができる。スピーカーをアウトプットジャックに差し替えて外部出力することも可能で、そのための部品もキットに同梱されている。 極小サイズのブレッドボードに搭載されたシンプルな音源の音程を、CdSで受けた光の強さでコントロールする。光源としてのLEDも搭載し、ボード上にはスピーカーが搭載され、電池ボックスも付属。アンプや電源に接続せずとも、組み立てるだけですぐに音を出して遊ぶことができる。スピーカーをアウトプットジャックに差し替えて外部出力することも可能で、そのための部品もキットに同梱されている。

「電子工作入門というとArduinoはプログラミングがメインだけど、ブレッドボードシンセはそれとは違った方向で、始めるきっかけにちょうどいい規模。部品の挿し方で音に個性が出たり、拡張性もあるし、ちょうどいいのができたのかなって思っています」

ブレッドボードシンセの原型となった「コンダクティブシンセ」。名古屋で活動するメディアアートの交流団体「NODE」の活動の一環として行われた、日韓交流によるワークショップの中で教材として使用された基板をベースに作られた。3種類の光源で3種類の音程をコントロールするシンセサイザー。この簡易板がブレッドボードシンセとなった。 ブレッドボードシンセの原型となった「コンダクティブシンセ」。名古屋で活動するメディアアートの交流団体「NODE」の活動の一環として行われた、日韓交流によるワークショップの中で教材として使用された基板をベースに作られた。3種類の光源で3種類の音程をコントロールするシンセサイザー。この簡易板がブレッドボードシンセとなった。

自分が欲しいものへの共感と購入という形の評価

子どもとの遊びや自己満足の趣味として始まった原田さんのものづくりは、ネットなどによる人のつながりを得て、他者からの評価を目的としたものに変容した。さらに、動画などによる情報発信の多様化とイベントの興隆は、その作品に対する評価を示す形に販売/購入という形を加えることを容易にした。こうしたものづくりの楽しみ方の変革は、原田さんだけに起きた特殊な事象ではなく、同人誌や音楽など、さまざまなジャンルで同様に進行している事象だと言えるだろう。

最後に、これからそうした世界に入っていこうと思っている人たちへのメッセージを伺ってみた。

「イベントでのウケ狙いのためにするのではなく、自分が欲しいものを作って、それに共感してくれる人を探すためであって欲しいなと。共感してくれた人がそれを評価して買ってくれるっていう考え方。販売するようになると、自ずと出来上がりも洗練されてくる。そういうものとしてイベントを捉えていくと、いいものが作れるんじゃないかなと思います」

古くから電子工作を楽しんできたとはいえ、Youtubeやイベントが現在に至る経緯のきっかけとなったという部分では、Maker Faireに出展する若者と違いがあるわけではない。「年齢関係なくなってるね。ただ、自分は年食ってるから昔は違うことやってました、みたいな(笑)」 古くから電子工作を楽しんできたとはいえ、Youtubeやイベントが現在に至る経緯のきっかけとなったという部分では、Maker Faireに出展する若者と違いがあるわけではない。「年齢関係なくなってるね。ただ、自分は年食ってるから昔は違うことやってました、みたいな(笑)」

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