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ロボティクスファッションクリエイターきゅんくんインタビュー

AKB48コンサートに「METCALF stage」が登場、ウェアラブルロボット開発で活躍するクリエイターきゅんくんが目指す未来

リアルクローズで社会とつながるファッションとテクノロジーを目指す

グラフィックデザインの浮遊感やアルミの物質感を強固に表現したMETCALF clione。 グラフィックデザインの浮遊感やアルミの物質感を強固に表現したMETCALF clione。

——いつからロボティクスを始めようと思ったのでしょうか?

最初に興味を持ち始めたのは小学生のころです。ロボットクリエイターの高橋智隆さんが制作した「CHROINO」を知って、ロボットの開発者になりたいと思いました。機械工学を学ぶため大学に入学し、ロボットを作るサークルに入会しました。そこで初めて旋盤やフライス盤に触れて、ウェアラブルロボットを作り始めました。

——ファッションとロボティクスの可能性を感じたきっかけは何だったんでしょうか?

私の中で、多様性というのがテーマになっているところがあります。ファッションを電子工作やロボットの開発を通して、多様性の可能性をまたひとつ増やすことが、昔から考えていたことのひとつです。ものづくりをするときに、自分の思想が表に出てくるものだと思います。私の場合はその思想が、多様性だったんだと思います。

これまでの作品から新作を説明するきゅんくん。2013年から本格的にロボティクスを始めたと語る。 これまでの作品から新作を説明するきゅんくん。2013年から本格的にロボティクスを始めたと語る。

——今後、どういうシーンで作品を使ってほしいと思いますか?

METCALF stageは、今回のAKBコンサートのようなライブで他にも可能性があると思います。METCALF clioneの方はリアルクローズ(Real Clothes)を意識して作っています。リアルクローズとは、現実離れしたデザインの服ではなく、現実の生活で着られるデザインの服のことです。街中で着ても違和感のないもの。生活できる本体の軽さ、コンパクトなサイズにしています。アーム部分もアプリの操作で羽のように閉じることができます。映像を撮影した時に休憩中、モデルさんが装着したままで、コンビニであんパンを買っていました。装着したままでも普通に生活ができるんですよ。

「METCALF clione & METCALF」PV撮影のオフショット。 「METCALF clione & METCALF」PV撮影のオフショット。

——ご自身がモデルで着用しなくなりましたが、何かきっかけがあったのでしょうか?

まず、以前はお金がなくてモデルさんに頼めませんでした。開発の確認のために、毎回モデルさんに装着してもらって、コミュニケーションするのが苦手だったというのもあります。

開発中は、できるだけ集中して開発に専念したいです。モデルも自分でやってしまうと、頭のスイッチを入れ替える時間が必要になります。その時間がもったいないなと思って本業のモデルさんに頼むようになりました。他にも、自分で作品を装着してしまうと、作品が自分の色に染まってしまって、作品の可能性を狭めてしまいます。いろいろな人に装着してもらって、もっと作品の可能性を広げていきたいです。

量子系物理工学も勉強してみたいと語るきゅんくん。 量子系物理工学も勉強してみたいと語るきゅんくん。

——今後の目標を教えてください。

短期な目標としては、METCALF clioneを製品として販売できるようにすること。作品としてのアップデートというよりは、販売する製品レベルに改良したいです。専用基板を作ったり、配線の取り回しを工夫したり。本体のサイズもバリエーションを増やして、ショルダーパーツのサイズもオーダーメイドで作れるようにしたい。

最近、長期的な目標を定めないことにしました。目標を決めてしまうと、自分の知っている範囲のことしか知ろうしなくなってしまうのではないかと思って。ものづくりをしながら、インプットとアウトプットのバランスを考えて、両輪で進みながらスキルアップしていきたい。METCALF clioneなどの自分のプロジェクト以外にも、経験を積むために他のプロジェクトにも携わっていきたいです。スマートシューズの「Orphe(オルフェ)」の開発を手伝ったり、現在はkarakuri productsのアニメ「攻殻機動隊」の小型多脚戦車「タチコマ」リアライズプロジェクトを手伝わせてもらっています。

——同世代にアドバイスするとしたら何かありますか?

アドバイスできる立場ではないですが...。アウトプットの発表タイミングは悩んだ方がいいのではないかと最近考えています。
人によるとは思いますが、アウトプットの発表タイミングが早すぎると、突然忙しくなったりして、インプットに時間を割けなくなってしまうかもしれない。自分の目的を見失わないように、ちゃんと自分の時間を確保しながら、タイミングを考えて発表できるといいですよね。

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