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no new folk studio 菊川裕也インタビュー

「Orphe」は“光と音と動きが自由に行き来できる世界”のハブ:no new folk studioが目指すもの

9軸センサや100以上のフルカラーLEDを搭載し、動きに合わせて光を制御できる「Orphe」。クラウドファンディングサイトIndiegogoで6万8450ドル(約840万円)の資金調達に成功し、日本発のハードウェアスタートアップとして注目されている。Orpheのこれまでとこれからを、no new folk studio代表の菊川裕也さんに伺った。(撮影:加藤甫 モデル:きゅんくん)

「Orphe」はアーティスト、パフォーマーのためのスマートシューズ

「Orphe」は動きを検知して光の強さ、色、光のパターンを制御できるスマートシューズ。そう言葉で説明されただけでは、どういうプロダクトなのかよく理解できないかもしれない。デモムービーはこちら。

菊川さんが、この「動きと連動して光る靴」のアイデアを初めて形にしたのは2014年3月に開催されたヤマハの音楽系ハッカソン「Play-a-thon」だ。それからわずか1年余りでクラウドファンディングに進んでいる。このプロジェクトで何が起きているのだろう。一見飄々とした印象だが、菊川さんはいったい何を考えているのだろうか。

音楽をやっていた頃からのコンセプト「no new folk」

「電子楽器の研究を始める前は、バンドとか一人で弾き語りとか音楽をやっていました。ギター、ベース、歌、鍵盤、アコースティックも打ち込みもやります。no new folkというのも、その頃に考えたコンセプトです」

首都大学東京大学院で電子楽器を研究していたというあたりから始めてもらおうと話を向けると、菊川さんから、いまの社名につながるコンセプトが出てきた。「no new folk」は、ブライアン・イーノの『No New York』というコンピレーションアルバム、No Waveという音楽のジャンルのへの憧れ、自分の中でfolkを一番大事にしたいというところを掛けあわせたものだという。そもそも「folk」というものは自分の民族、生まれ育ち、自分の「個」というものに対し向き合う行為なのだ、とも。

「テクノロジーが自分たちの生活にはあふれている。ということは、自分たちの生活に対して正直に表現行為をするとすれば、それも含まれたものになるはずじゃないかと思うんです。だから、フォークミュージックがアコースティックなものしか使ってはいけないというのには違和感があった。フォークという考え方のもとにテクノロジーと向き合いつつ、自分というものにも向き合うというのが、もともと音楽をやっていたときからコンセプトだったんです」 

no new folk studio代表の菊川裕也さん。 no new folk studio代表の菊川裕也さん。

「始まりから終わりまでを一人でやれるように」という串山・馬場研究室時代

大学は一橋大学商学部、エリートコースになじめないまま軽音楽部にばかり行っていたような学生だったという菊川さんは、音楽だけじゃ食べていけないということに気づく。「じゃあ、どういう形でやっていこうか」と。楽器を作れば、結局それは音楽を作ることになるということに徐々に考えを進めていく。そして首都大学東京に進み、馬場哲明准教授(当時は助教)の研究室で電子楽器の研究を始める。

串山・馬場研究室のポリシーは企画からプログラミング、電子工作、筐体もモデリングして提案し、最終的に論文にすることだ。当然プログラミングや電子工作の勉強も研究室に入ってから。最初はプログラミングにも苦労をしたという。ここで菊川さんは、同じ研究室のメンバー(金井隆晴さん、鈴木龍彦さん)と「PocoPoco」(ポコポコ)という電子楽器を作った。 

PocoPoco。「押す」「つかむ」「回す」といったシンプルな操作で簡単に音楽を演奏することができるデバイス。

菊川さんたちは、このPocoPocoをGUGEN2013に応募。PocoPocoは見事、優秀賞を受賞した。

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