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リーマンサット・プロジェクトインタビュー

「趣味は宇宙開発」と言い切るサラリーマン集団、小型人工衛星打ち上げに挑む。

宇宙へかけるそれぞれの思い

趣味とはいえ、膨大な文献を漁り、たくさんの技術書を読破するのは決して楽ではない。全員が別に本業を持つサラリーマンなのだ。かけられる時間に限界がある。そこまでして続けたい理由とは何だろう?

「僕の場合、最初の動機は女の子にもてたかったから。『宇宙開発が趣味』っていったらちょっとかっこいいかなと。また、父親が月面着陸を生で見たアポロ世代の人で、影響されたのもあるかもしれません。なにしろ『夢月』なんて名前をもらったぐらいですから。子ども時代には天体望遠鏡を買ってもらっていっしょに観察したりなんてこともやっていました」(小泉氏)

「以前から宇宙開発に興味を持っていましたが、直接のきっかけはMaker Faireです。rspのブースでチラシをもらって、見たら面白そうだったので。技術系会社の開発部に勤務しているし、何かできることがあるかもしれないと思いました。今は人工衛星と地上局との通信のところを担当しています」(田島氏)

「本当は宇宙飛行士になりたかったのですが、30を過ぎた身にはいささかきつい。でも宇宙開発には携わりたい。小型の人工衛星なら可能性があると思って、できるところを探していました。それがrsp.だったわけです」(嶋村氏)

動機はそれぞれだが、過去に抱いた宇宙愛を満たせる場所がrspだったようだ。

「何か力になれることがあるんじゃないかと思いました」。参加の動機を語る技術班の田島氏。 「何か力になれることがあるんじゃないかと思いました」。参加の動機を語る技術班の田島氏。

見つめる現実と将来への展望

経験豊富なサラリーマンであっても本業ではない以上、時間管理の難しさはついてまわる。

「中心となって動いている人が、本業が忙しくなって急に参加できなくなる。よくあるパターンです。そうなると、別の人に負担がかかるケースもでてきます。家庭のある人もいるし、そちらへの影響も心配です。誰かが抜けても、バックアップができる体制作りは重要な課題のひとつです」(伊藤氏)

現実的な問題として、もうひとつ頭が痛いのが資金。今までのところ手弁当で進めてきたが、今後は外部からの資金調達も必要になる。将来を見据えれば、なんらかの人工衛星ビジネスも展開しなければならない。

「クラフドファンディングなどを利用しながら、広く浅く資金が集められれば、と考えています。そのためには多くの人に活動を知ってもらうこと。広報班の出番です。また、志を同じくする他の宇宙関連プロジェクトとのコラボ企画も積極的に行っていきたいと思っています」(小泉氏)

2016年11月、国会で宇宙関連法が成立した。今後、民間の活動が加速されそうだ。そんな中、rsp.の存在はひときわユニークなものになっていくはず。日本の宇宙開発ベンチャーの礎のひとつに成長していくことだろう。

週に1度行われるミーティングでは各班に分かれて熱い議論が交わされる。 週に1度行われるミーティングでは各班に分かれて熱い議論が交わされる。

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