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空間知能化研究所インタビュー

水中ドローンで家から深海調査がしたい——過酷な環境へ挑戦する「Tripod Finder」

「誰もが深海を見ることができる世界を実現させたい」

筑波大発ベンチャーの空間知能化研究所は、潜水士よりも深く潜る水中ドローンを開発するスタートアップだ。2017年8月に総額1.9億円の資金調達を実施し、来春には新型水中ドローン「SPIDER」のリリースを予定している。
一般的に水深200m以上の海域を深海と呼び、太陽の光が届かない暗黒の世界。どうして低い水温に加え水深200mで約21気圧にも達する過酷な環境に挑戦し、どのように水中ドローンを生み出したのか。代表取締役社長 伊藤昌平氏と取締役副社長 吉賀智司氏のお二人にお話を伺った。

「水深1000mに生息しているナガヅエエソを家から水中ドローンで見てみたい」

水中ドローン(ROV:Remotely Operated Vehicle)をご存知だろうか。ドローンと聞くと遠隔操作や自動制御で飛行する無人航空機を想像してしまうが、水中ドローンは深海や海底の状況を遠隔操作で調査できる潜水用の小型無人機。人が容易には入れない水中の狭い洞窟や構造物などの調査に向いており、この技術をフロンティアテックと呼ぶ人もいる。

現在市場に出回っている水中ドローンは、小型だと水深200mより浅くしか潜れないものが多く、深度200m以上の深いところに潜るためには、機体重量2トンくらいの大きなものや船上の装置から極太のケーブルをつないであるような大掛かりなものが必要だった。
また、運用の際は船上からクレーンを使って海に下ろす必要があり、クレーン付きの船を借りるだけでも高額な費用がかかってしまう。伊藤氏は、深海魚を眺めるのが趣味でもっと簡単に深海探査ができるようにしたいと考えていた。

「海の中へドボンと水中ドローンを落とすと自動探査してくれるものが作りたい。もともと事業化する目的はなく、個人的にお小遣いをためて開発の準備していました」(伊藤氏)

開発現場で水中ドローンの説明する伊藤氏。 開発現場で水中ドローンの説明する伊藤氏。

伊藤氏は、大学中に海洋研究開発機構(JAMSTEC)のインターンを経験し、筑波大学の研究や近隣の企業から依頼を受けてハードウェア、ソフトウェア開発をしていたが、仕事の件数が増えてきたこともあって、2014年6月に筑波大教授の中内靖氏と2人で空間知能化研究所を設立した。
当時は、ハードウェアやソフトウェアの受託開発を事業としていたが、伊藤氏が2015年4月に筑波大学 産学連携部が主催する「筑波クリエイティブ・キャンプ・ベーシック」へ外部受講生として参加したことをきっかけに新しい事業計画を考え始めていた。
伊藤氏は、大学時代からの仲間だった吉賀氏に新しい事業計画を相談した。計画案で最初に上がっていたのは、ホイールの上にタブレット端末を装着した代理人ロボットだった。

吉賀氏が「代理人ロボットはどのくらい作りたいの?」と質問すると、伊藤氏は「やりたいことを10段階で例えると3かな」と答えた。「じゃあ、10のうち10やりたいのは?」吉賀氏に尋ねられて、伊藤氏が答えたのが、昔からお小遣いをためて作ろうとしていた水中ドローンだったという。

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