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空間知能化研究所インタビュー

水中ドローンで家から深海調査がしたい——過酷な環境へ挑戦する「Tripod Finder」

水中ドローンの開発は水圧との戦い

配線ケーブルの周りに樹脂を流し込む。 配線ケーブルの周りに樹脂を流し込む。

水中ドローンの開発は、水圧との戦いと言っても過言ではない。

「水圧で伸縮したところから浸水してしまうことがよくあります。配線ケーブルの中に微量の空気が入っていて、周りにパテを巻いて中の空気を抜くという方法を試していましたが失敗が多いんです。専用のコネクターを自分で作って隙間ができないようにつなぐ方法もありますが、コストが上がってしまいます」(伊藤氏)

何度も対策を練りながらチャレンジした結果、配線ケーブルと基板周りには樹脂を流し込んで、水圧で配線ケーブルが伸縮しても隙間から浸水しないように対策を施した。また、海底探査は目的地をすぐに発見できるとは限らないので、潜航できる時間も重要になってくる。
従来の水中ドローンの電力供給は、船上から機体へ太いケーブル越しに給電するか、バッテリーを積んだものでは1回の充電で1~2時間しか持たないのが難点だった。Tripod Finderは設計から見直すことで、バッテリー交換式ながら1回の充電で最大約8時間潜航できる。

2016年7月に初めて本栖湖の湖底に到達した時の映像。 2016年7月に初めて本栖湖の湖底に到達した時の映像。
2017年5月、Webカメラに交換して石垣島のサンゴ礁を調査した時の映像。 2017年5月、Webカメラに交換して石垣島のサンゴ礁を調査した時の映像。

カメラにも工夫がある。従来は産業機器などによく使われているマシンビジョンカメラを使って、撮った画像を大容量のまま海上へ伝送していたが、Webカメラに使用されている安価な民生品に変更したことで、送信データが小さくなり、機体が止まったときにはフォーカスが合うようになった。ダウングレードにも思えるが、実際の映像は大きく改善している。

2016年10月には、スカパーJSATと連携し、遠隔海洋調査・監視サービスの実証実験を行った。
水中ドローンが撮影した水深145mの海洋構造物、海洋生物の様子をフルハイビジョンで撮影、衛星IPネットワークを経由して地上のデータセンターまで映像を伝送してリアルタイムで見ることに成功した。

伊豆半島須崎沖での実証実験の様子 伊豆半島須崎沖での実証実験の様子

新型水中ドローン「SPIDER」

2018年春には新型水中ドローン「SPIDER」のリリースを予定している。
8つの推進器を持ち、潜航可能深度は300m、バッテリー駆動で約4時間の稼働が可能になる。カメラの画像解析による機体の位置保持機能を実装し、深度と姿勢を自動で維持する。この機能により、これまで困難だった潮流など水の流れがある環境下の調査をより簡単に実施できるようになる。

「よく例えられるのは、テニスコートに針を1本落としたくらいの範囲しか深海は調査されていないということ。海洋探査が進んでいても深海のほとんどの部分はまだ見られてもいません。将来の夢は、Google Earthの航空写真のように深海を眺めながら旅ができる地図を作ることです」(伊藤氏)

試作機のノウハウが「SPIDER」に生かされている。 試作機のノウハウが「SPIDER」に生かされている。

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