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空間知能化研究所インタビュー

水中ドローンで家から深海調査がしたい——過酷な環境へ挑戦する「Tripod Finder」

国内と海外の水中ドローン市場

吉賀氏は、伊藤氏とは大学時代からのオーケストラ仲間で一緒に釣りに行く間柄だった。 吉賀氏は、伊藤氏とは大学時代からのオーケストラ仲間で一緒に釣りに行く間柄だった。

水中ドローンの国内市場を調査すると、水中のインフラ調査は需要がありそうだと分かってきた。昭和30~40年代に設置されたインフラの老朽化が進んでおり、現況確認・メンテナンスが必要だが、経済的に行える機材がほとんどない。環境調査や水産品養殖調査、沈没船探索の需要はあるものの、海外と比較すると国内の市場規模は小さかった。
海外では1000~2000億円の市場規模があり、市場の5割は石油業界で残りの3割は軍関係だった。石油業界から石油掘削施設の点検で水中ドローンの引き合いがあるものの、近海に石油産出の少ない日本では今のところ需要が少ない。

「海外の石油業界にアピールしていきたいところですが、1000mを超える深海に潜れる水中ドローンは輸出規制品目に該当するため、日本から海外市場を狙うのは難しいことも分かりました」(吉賀氏)

国内に市場がないのなら実績を作ればいい。いつか何かになるだろうと信じて事業計画を進めたところ、2016年3月にベンチャーキャピタル2社から出資を受けて開発がスタートした。

試作機「Tripod Finder」 試作機「Tripod Finder」

4カ月後には、試作機「Tripod Finder」が完成し、山梨県の本栖湖で初めて潜水試験を実施して水深120mの湖底に到達することができた。
Tripod Finderは、潜行可能深度1000m、速度1.5ノット、サイズ高さ500×幅420×奥行き600mm、重量約22kgと一人で持ち運べる大きさを実現。小型のものは100m程度しか潜れず、深く潜れるものは大掛かりな設備や準備が必要という、従来の他社の水中ドローンの課題を一気にクリアした。

制御装置と本体をつなぐケーブルも光ファイバーにすることで細径化し、運ぶのが容易にしただけでなく、太くて重いケーブルが操作中に海流の影響を受けて機体が流されてしまう懸念も解消した。
海の中へ落とすときもクレーンを使う必要もなくなり、手こぎボートからゲーム用のコントローラーで手軽に操縦できるようになった。

モニターを見ながらゲーム用コントローラーで操作する。 モニターを見ながらゲーム用コントローラーで操作する。

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