また、ext-broomは複数人で楽しむ競技のためのモビリティなので、量産化を前提に設計されています。メカ部分を担当したメンバーの努力もあって、基本的にはフライス、レーザーカッター、3Dプリンターなどで必要なパーツを再生産できるようになっています。加工用のデータが残っているので、2台目は最後の1週間くらいで完成させることができました。作る過程では、近くのファブ施設や中小企業の協力を得ることも多かったです。

本体にはいくつか倉庫で転がっていたパーツも含まれていますが（笑）、金属フレームを含めほとんどが一般的に手に入るものです。だいたいAmazonとかAliExpressやミスミ、スイッチサイエンスで手に入ります。今はなんでも個人輸入できますしね。

特に、ここ数年でモビリティ製作のハードルはぐっと下がりました。ドローンがはやったことでいろいろなサイズのリチウムポリマー電池が調達できるようになったし、中国などで電動スケボーが広まったおかげでモーターやドライバの種類も増えました。4年くらい前には用途に合わせてギアを組み変えることなどが必要で、とてもハードルが高かったんです。

制御のためのプログラムはArduinoで書いています。オープンソースのおかげで何でもできる。電子部品が簡単に手に入り、ソフトウェアも気軽に書ける、今の環境は本当に素晴らしいですよね（笑）。

——簡単に手に入る技術でも、本気を出せばここまでのクオリティを実現できるんですね……！ 最後に、これからの目標などあれば教えてください。

ext-broomは国内外のMakerFaireやコンテストにもどんどん出展していきたいです。企業じゃなくて、あくまで有志団体でもここまでできるんだぞ、っていうのをアピールしていきたい。最終的には、「ハリー・ポッター」の原作者であるJ.K.ローリングに見てもらいたいですね（笑）。