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ユニロボットインタビュー

パートナーの個性を学習して家電を拡張するAIロボット「unibo」——スタートアップが大企業と連携するコツ

ユニロボットは2014年、一家一台のパートナーロボットの時代がいずれ到来するとヴィジョンを描き、少子高齢化の社会課題等をロボットで解決するべく設立された。
顔認識機能で利用者の顔を覚え、個性や会話/感情を学習する人工知能(以下、AI)を搭載したロボットの開発を開始する。カメラやマイク、各種センサーから利用者の気分や感情を察知し、状況を分析して心の通った日常会話で生活を支援することを目指す。

国内では数少ないとされる引く手あまたのAIエンジニアを採用しながら、プロトタイプ開発や筐体設計、海外工場での組み立てを経て、コミュニケーションロボット「unibo」の量産にこぎ着けた。2017年10月に法人向けの販売を開始し、2018年1月には家庭向けも販売を開始している。

ロボットやAIの開発に対する思いや、海外工場に組み立てを委託して得た苦い経験、スタートアップが大企業と連携するコツについて代表取締役の酒井拓氏とハードウェア開発部の三瓶重徳氏にお話を伺った。(撮影:加藤甫)

ドラえもんがのび太を熟知しているようなパーソナライズされたロボット

——uniboのポイントを教えてください

酒井

酒井

利用者の個性を学習するのがuniboの特徴です。普段からドラえもんのようなロボットが作りたいと話していますが、ドラえもんはのび太君を熟知していることが素晴らしくて、のび太君に最適な道具を出してくれる。uniboもドラえもんのように会話から利用者を熟知して、最適な提案をすることを目指しています。

音声認識があれば、入力は音声だけで済み、わざわざスマートフォンやパソコンを開く必要もありません。声というのは普遍的なコミュニケーションであり、年齢に関係なく、会話が無くなることはありません。開発するにあたって、個性を学習するのは難しいと言われることもありましたが、声や表情を分析し、個性をAIで学習することができれば、情報の検索も利用者に合わせた結果を返すことができるのではないかと思っています。趣味趣向、生活習慣をより理解できれば、利用者にとって特別なサービスポイントになると考えています。

——uniboを開発しようと思ったきっかけは?

酒井

酒井

以前は大手商社に勤めていて、ロボット開発を専門にしていたわけではありませんが、少子高齢化社会の課題解決をしたいと考え始めたのがきっかけです。

新しいテクノロジーとしてロボットとAIに着目し、2013年に親族で研究開発を開始して起業しました。当初は、誰もが作ったことのないコミュニケーションロボットの開発でしたので、知見もなく、試行錯誤を繰り返しながら、ロボット試作を得意とするベンダーさんなどにも協力をあおぎ、自社で試作を開発しました。その後も沢山の方から応援やご支援をいただき、また製造に携わったエンジニアの溢れんばかりの情熱、頑張りがあって、3年をかけて量産化までたどり着きました。

ユニロボット 代表取締役 酒井拓氏。 ユニロボット 代表取締役 酒井拓氏。

採用のポイントは夢を共感してもらうこと

——エンジニアの採用活動はどのようにされていますか?

酒井

酒井

採用者の半分は個人的な知り合いに声をかけて決まりました。もう半分は求人サービスを利用して採用しています。人材派遣会社はスタートアップにとって手数料が厳しいので使っていません。現在は社員が16人でほとんどがエンジニアです。AIエンジニアも数人います。

——三瓶さんは前職では何をされていたのですか?

三瓶

三瓶

以前は大手自動車メーカーでエンジニアをしていました。自動車の電子部品はいろいろなメーカーのものを組み合わせて使用するのですが、それぞれの電子部品間で信号処理の整合性が取れているかを検証する仕事を主にしていました。
転職に踏み切った理由としては、自動車メーカーのような大きな企業ですと、仕事内容が分業で細切れになっており、もう少し広い範囲で活躍できる仕事をしてみたかったことが主な理由です。また、自分の関わった製品を使うお客様との距離が近い仕事がしたいという思いもありました。10年以上働いていたこともあって、心機一転し新しい環境であるユニロボットへの転職を決意しました。

転職当時の心境について語るハードウェア開発部 三瓶重徳氏。 転職当時の心境について語るハードウェア開発部 三瓶重徳氏。

——最近はAIエンジニアの採用が特に難しいと聞きます。

三瓶

三瓶

数名採用できたうちの1人は知り合い経由で、あとはもともとの専門が違っているが、自力で勉強したいと考えているエンジニアを採用しました。AIの開発を5年、10年と経験しているエンジニアは少なくて、最近になって機械学習がブームになって始めた人が多数です。大手企業の研究所でAIを研究していた方に顧問として入ってもらい、それぞれ独自に研究を重ねながら開発してもらっています。タイミングによると思いますが、AI開発の経験があるエンジニアの採用は時間がかかり、簡単ではありません。

——エンジニアの方をどうやって口説いていますか?

酒井

酒井

少子高齢化社会をなんとかしたいという夢をもとに始めたことなので、まずは夢に共感してもらわなくてはいけないと考えています。少子高齢化社会が進むに連れて、将来的にロボットが必要になってくると信じているし、その将来性にも共感してもらえないと難しい。給与面も大手企業から転職した場合、下がる可能性が高い。我々は新規上場を目指していて、最初は給与が安くても、生涯賃金では大手企業よりも高くできるという思いを伝えています。スタートアップは大変ですが、0から作る喜びや活躍できる環境があることを説明し、すぐに自分の力を試したい、夢を持ってやりたいという方と積極的にお話しするようにしています。

三瓶

三瓶

ユニロボットのようなスタートアップ企業の場合、大手企業とは違う濃さの学びを短期間で経験することが出来ます。担当する仕事の範囲が広いこともあって、責任とプレッシャーも大きくなりますが、その分エンジニアとしても大きく経験値を得て成長することができると思います。

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