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デジタル工作機で作った製品コンテスト「YouFab 2014」受賞作、FabCafeで展示中

FabCafe Tokyo/Taipei/Barcelonaが募集した、デジタル工作機械を使って制作した製品やアート作品のコンテスト「YouFab Global Creative Awards 2014」の受賞作品が発表された。グランプリ作品「やどかりに『やど』をわたしてみる」ほか受賞作品を、FabCafe Tokyo(東京都渋谷区)で11月4日まで展示中だ。

YouFab Global Creative Awards 2014(YouFab 2014)は、3Dプリンタやレーザーカッター、CNCなどを用いて制作した製品やアートなどを表彰するコンテストで、製品全般「Products」、アート作品「Art」、デジタル工作機械そのもの「Machines」、複合的な作品「Beyond」の4つのカテゴリで作品を募集していた。募集期間の2014年6月2日から8月1日に、27カ国から計143作品の応募があった。

MITメディアラボ所長の伊藤穣一氏、DUS Architects共同創業パートナーのHans Vermeulen氏、クリエイティブキュレーターの四方幸子氏、プロダクトデザイナーで東京大学生産技術研究所教授の山中俊治氏、ライゾマティクス代表取締役でクリエイティブ/テクニカルディレクターの齋藤精一氏による審査の結果、グランプリ1作品、準グランプリ1作品、入賞19作品が選ばれた。作品自体が美しさや格好の良さだけで完結してしまう作品ではなく、作品を中心にさまざまな方面へ拡張できる可能性がある作品を選んだという。 

授賞式は10月17日にFabCafe Tokyoで行われ、グランプリ、準グランプリ受賞者に現代アーティストの名和晃平氏がデザインして3Dプリンタで制作されたトロフィーが贈られた。

グランプリ作品は、AKI INOMATA氏の「やどかりに『やど』をわたしてみる」。この作品は、3Dプリンティングで世界各地の都市をかたどった「やど」をヤドカリに与えて、ヤドカリが気に入れば引っ越してもらうプロジェクト。背負う「やど」によって見た目がすっかり変わってしまうヤドカリの習性と、国境、そして移民、難民、国籍の変更、自らが住む土地を選択することは可能か、といった私たちの抱えている問題とをリンクさせている。

作者のAKI INOMATA氏は、授賞式で「解体前フランス領だった(フランス大使館の)土地が、解体時にフランス領から日本領に返還され、新大使館が完成するとまたフランス領へ戻るという話しを聞き、日本にずっと住んでいて初めて国境を実感し、また日本の中に国境があることに驚きを感じた。これをきっかけに自分自身が国籍を変える可能性や、どこかへ移住する可能性、そもそも自分が住みたい場所を選択できるのかなどを考えるようになった。自分が日本人であることや日本に住んでいることと、ヤドカリが宿を替えることにより見た目も全く変わってしまう面白い習性が似ていると感じ制作した。現在もこのヤドカリシリーズは継続中で、他にも生き物と新しいテクノロジーを使った作品を考えて行きたいと思っている」とコメントしている。

準グランプリはfabcrossでも取り上げたAgICの、銀ナノインクが入ったカートリッジを使ってインクジェットプリンタで電子回路を印刷できる「AgIC Printer」が受賞した。AgICの杉本雅明氏は「まだまだこれからいろんな展開ができるよう仕込んでいる。もっと便利になると思うので期待してほしい」と話した。AgIC Printerには、審査員の齋藤精一氏から「(ものづくりのルールを変える)ゲームチェンジャー。画期的だし表現の可能性を広げてくれるもの」との期待のコメントが寄せられた。

グランプリ、準グランプリおよび入賞作品は、11月4日まで、FabCafe Tokyo(東京都渋谷区)で展示中だ。

※記事初出時、人名の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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