ユニリーバ、3Dプリンタの導入により金型の開発期間を40%短縮
2015/01/29 17:00
世界的な家庭用品メーカーでオランダとイギリスに拠点を置く多国籍企業のユニリーバ(Unilever)が、プラスチック射出成形用の金型製作プロセスに米Stratasysの3Dプリンタを導入し、開発期間を40%短縮することができたという。
ユニリーバでは、インクジェットプリンタがインクを紙面に噴射するときのように、液体フォトポリマー層をビルドトレイに噴射し、その後すぐに紫外線を当てて硬化させるPolyJet技術を使った「Objet500 Connex」 を導入している。薄い層を積み重ねることで造形するため、複雑な形状の造形に適しているという。さらに、二次硬化が不要で、3Dプリンタから取り出してすぐに取り扱うことができるという強みもある。
家庭用品や洗濯用品を扱う部門では、製品ボトルのキャップや据え置きタイプのトイレ用洗剤のケースなど、約50種類の製品の開発を行っており、Objet500 Connexの導入によって、これまでよりも40%早くポリプロピレンなどの最終的な材料で試作品を作ることができるようになったとしている。
また、大きく高強度の造型が可能な大型FDM(熱溶融積層)方式3Dプリンタ「Fortus 360mc」を使い、最終的な金型の開発に必要な、射出成型時の温度や圧力に耐える試作金型を製作した。まだコンセプトをテストしている段階だが、開発期間を35%短縮することができたという。