IoT定点観測
Arduino IDE 1.6.x/1.7.xリリース最新情報、Raspberry PiにWindows 10プレビュー登場
2015/06/16 11:00
ArduinoやRaspberry Piほか、IoT関連デバイスのOSや開発環境のアップデート情報を、まとめてお届けする(情報提供:スイッチサイエンス)。
Arduino
現在、Arduinoの5人の開発者が設立したArduino LLCと、Arduinoハードウェアの製造販売を手がけてきたArduino SRLが分裂状態になっている。この影響で、Arduino IDEはArduino LLCが提供する1.6.xと、Arduino SRLが提供する1.7.xの2つの系統がある。
分裂が表面化する以前のArduinoボードは、1.6.xと1.7.xのどちらでも開発できるが、分裂表面化以降にArduino SRLが発売した「Arduino Zero Pro」は、1.6.xでは開発できない(ボードの選択肢に出てこない)。
IDE 1.6.3(2015/4/2)
- いくつかのLinuxディストリビューションで落ちてしまうバグを修正。
- AVRのコアに関わるファイルをまとめてハードウェアフォルダに移動。
- httpsで始まるリンクがWindowsやMacOSでうまく動いていなかったバグを修正。
- Arduino言語の色分けを追加(Structureは緑、Variablesは青緑、Functionsはオレンジ)。
- 古いArduino IDEで作ったスケッチを、更新しなくても新しいIDEで動くようにした。
- ライブラリに重複がある場合にコンパイル後に表示するようにした。
IDE 1.6.4(2015/5/6)
- 「Arduino Gemma」のサポート。
- IDEの下部に出力されるエラー表示の色をもとに戻した。
- ライブラリのバージョンに対してリラックスIDEをチェックするようにした。
- 'char'キーワードの表示色を修正。
- [ツール]メニュー内のサブメニューで選択している項目を表示。
- コマンドラインにボードマネージャとライブラリマネージャを追加。「--install-board "arduino:Arduino SAM Boards (32-bits ARM Cortex-M3):1.6.3"」や「--install-library "Bridge:1.0.1"」などと指定する。バージョン番号は省略でき、省略すると最新のバージョンになる。
- [ファイル]> [環境設定]でコンパイル時の警告のレベルを設定できる。
- コンパイルが失敗した場合、エディタの当該行を強調表示する。
- Windows版とMacOSX版に付属するJVMを1.8.0_45に更新。
- "Uncertified"という警告を出さなくした。(SAMコア 1.6.4以上、AVRコア 1.6.6以上が必要)
- サードパーティーが作ったArduino互換基板の設定ファイル(JSON形式)のリストを[ファイル]-[環境設定]から設定できるようにした。
- MacOSX版で.inoファイルをダブルクリックすると、違うスケッチが開くバグを修正。
- プロキシサーバーを介した際のいくつかのバグを修正。
- 同梱AVRコアが、ボードマネージャを介してインストールされているものよりも新しい場合は通知するようにした。
- [ポート]メニューで、外されたシリアルポートやネットワークをグレーアウトする際の不具合を修正。
- IDEの終了時に一時ファイルを削除するようにした。CLIを使用する場合は、--preserve-temp-filesを指定した場合に削除をスキップする。
- Bridgeライブラリの修正。
- SDライブラリ:複数のSDインスタンスを許可。
- SDライブラリ:イーサネットシールドのサンプルを修正。
IDE 1.7.0(2015/4/4)
- SAM D(Arduino Zero Proに使われているチップ)用にDAC、ADC、PWM、Digitalを更新。
- OpenOCDとCMSISツールを追加。
- Arduino Zero Proを使うためのWindowsドライバ更新。
- Atmelのドライバ追加。
Raspberry Pi
マイクロソフトが「Raspberry Pi 2」で動く次期Windowsのプレビュー版「Windows 10 IoT Core Insider Preview」を公開。インストールするにはRaspberry Pi 2とは別に、「Windows 10 Insider Preview」が動いているパソコンが必要。Windows 10 IoT Core Insider PreviewにはGUIが付いているが、いわゆるデスクトップ画面はない。開発は、Windows 10 Insider Previewが動いているパソコン上の「Visual Studio 2015 Preview」で行う(同じネットワーク上にWindows 10 IoT Core Insider Previewが動いているRaspberry Piが必要)。GUIを使ったプログラムが可能で、GPIOにもアクセスできる。