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DMM.comがデベロッパー向けに、ロボット「Palmi」のアプリ開発環境を無償公開

DMM.comは、富士ソフトが開発しDMM.make ROBOTSで販売しているコミュニケーションロボット「Palmi(パルミー)」のアプリ開発環境を、10月下旬にデベロッパー向けに無償公開すると発表した。Palmiに魅力あるアプリを増やしユーザーの満足度をさらに高めることで、スマートロボットのさらなる市場普及を目指すもので、公開に先立ち9月 17日に開発者登録を開始した。

DMM.comのロボット戦略 DMM.comのロボット戦略

今回公開する開発環境は富士ソフトが提供し、「Microsoft Visual Studio」を使ったPalmiアプリ開発が可能となる。システム開発者だけでなく、誰もがアプリを開発しやすい環境を提供していく方針で、DMM.comの松栄立也代表取締役社長は9月17日に開催したデベロッパー向けアプリ開発環境発表会で「Palmiで家族が楽しめるようなアプリをどんどん開発していただければ」と期待感を示した。今後、ロボットのもつ人工知能(AI)をより豊かにするため、日本マイクロソフトの「Microsoft Azure」で提供するMachine Learning(機械学習機能)を活用したクラウド型のロボット開発における同社との協業も予定しているという。

パルミーの普及拡大へのロードマップ パルミーの普及拡大へのロードマップ

Palmiは高度な人工知能テクノロジーにより会話ができる癒し系のコミュニケーションロボット。最初は片言しかしゃべれないが、人が接することによって成長していく。また、気軽な会話だけでなくニュースや天気を知らせたり、写真を撮ったり、歌いながらダンスをするなどの機能もある。サイズ(身長)は約40cm、重さは約1.8kg。価格は29万8000円(税別)。

発表会では岡本康広ロボット事業部長が「当社はコミュニケーション、エンターテイメント、教育の3つにターゲットを絞ってロボット戦略を推進していく。Palmiについてはアプリ開発をすることにより、メインの一般ユーザーだけでなく、法人にも利用が広がると期待している。Palmiは小型で持ち運びが楽であり、価格も約30万円と安価であることから、この2つを強みとしてビジネス展開していきたい。既に結婚式の演出や、歯科医院の受け付け、子供への対応などいろいろなビジネスシーンで取り入れられ始めている。また、さらにパルミーの普及を加速してくため代理店を通じた販売力を強化する。一般消費者向けには、8月末にイオンディテールと提携して全国のイオンの店舗でパルミーの販売を始めた。これを皮切りに百貨店、専門ショップなどにも販売ルートを拡大していく。法人向けとしてはシステムインテグレーター、開発ベンダー、商社等を通じて展開する」などと普及促進に向けての戦略について話した。

このほか、DMM.comでは開発環境公開にあたり、デベロッパー向けにプログラミング研修やPalmi短期レンタル提供、ワークプレイス提供(Palmiの開発を体験できる場所)、導入コンサルティングサービス、アプリ開発コンテスト等の支援プログラムを順次実施する。また、デベロッパーが作成したアプリをPalmiユーザーへ販売できるよう、10月下旬にアプリストアマーケットを設ける予定だ。

アプリストアマーケットはアプリなどのデジタル商品を販売できるEコマースサイトで、作成したアプリ登録を全てのPalmiのユーザーに対して販売できる(DMM決済)。短期レンタルサービスは、「DMMいろいろレンタル」を通じて法人企業向けにPalmiを貸し出すもの。9月28日に開始する。このほか、Palmiの開発を体験できるワークスペース(仮称)の設置を検討しており、曜日、時間限定で秋葉原近辺に開設する。Palmiの技術担当者も常駐予定という。

これらにより、Palmiの魅力あるアプリが増え、一般のユーザーはアブリストアマーケットを通じて、Palmiの利用価値を高められるとともに、法人ユーザーでも受け付け利用やさまざまなビジネスシーンにおけるロボット利用のメリットが享受できるようになる。 

パルミーの普及浸透を目指す関係者。左から日本マイクロソフト佐藤久業務執行役員、DMM.com松栄立也代表取締役社長、岡本康広ロボット事業部長、富士ソフト渋谷正樹常務執行役員。 パルミーの普及浸透を目指す関係者。左から日本マイクロソフト佐藤久業務執行役員、DMM.com松栄立也代表取締役社長、岡本康広ロボット事業部長、富士ソフト渋谷正樹常務執行役員。

なお、パルミーの開発を担当した富士ソフトの坂下智保代表取締役からは「Palmiは当社が有する知能化技術を元に企画、開発、製造したコミュニケーションロボット。より多くのアプリケーションが開発され、市場に投入されることでPalmiがさまざまな領域で活躍することを期待している」。また、日本マイクロソフトの樋口泰行会長からは「開発ツールとして当社のVisual Studioが採用されたことに感謝している。これにより、多くの開発者が魅力あるアプリが開発できる機会が増大するものと考えている。さらに将来的にMicrosoft Azureが提供するMachine Learningを活用し、よりインテリジェントなクラウド型ロボットやビッグデータ活用が進むことを期待している」などのコメントが寄せられている。

このほか、発表会では既にPalmiのアプリを開発したデベロッパーの代表者5人が参加したパネルディスカッションが行われ、今後どういったアプリを開発していくのか、どうビジネスに生かしていくのかなどが紹介された。 

アプリ開発のデベロッパーも参加 アプリ開発のデベロッパーも参加

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