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形状記憶特性を備え、加熱で再変形可能なフィラメント「Essemplex」

形状記憶特性を備えたプラスチックフィラメント「Essemplex」が、Kickstarterにて出資を募っている。ABSフィラメントなどと同様に3Dプリントが可能な上、出力後も融点を超えない温度で再加熱することで、伸ばす、曲げるといった再変形を加えられるのが大きな特徴だ。

このプラスチックフィラメントはSMP(Shape Memory Polimer)と名付けられている。エクストルーダ方式や射出成形方式など、従来の3Dプリントでの印刷機構と互換性がある。

ABSフィラメントなど、従来の硬質プラスチックフィラメント素材と同様に3Dプリントできるが、これら従来の素材と比較すると活性化温度がより低い。そのため、融点未満の加熱を行うことにより、材料の記憶形状、分解性を失うことなく繰り返し再形成が可能。例えば、ドライヤーによってSMPを再加熱することで、形状を保ったまま伸ばしたり、鉄パイプに巻きつけたりできる。

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なお、このフィラメントは、MakerbotのReplicator2X環境により開発されている。Kickstarterで募集中のβテスターからのフィードバックにより、他社製プリンタとの互換性も明らかになる予定だ。

現在のフィラメントのカラーリングは、飴色状の半透明となっている。出資が目標額を上回った場合のストレッチゴールとして、フィラメントのカラーバリエーションや、形状変更可能な融点温度のカスタマイズ、温度変化によるフィラメントの可視化(形状変化な温度になると、フィラメントの色が変化する)などの実装を予定している。

開発は米オハイオ州デイトンのCornerstone Research Group(CRG)。SMPの技術について、CRGは特許を出願しているとのこと。

現在は米国内を対象にβテスターを募集中。 βテスター応募者に対しては、先行して1.75mm径、250gのフィラメントが送付される。先行フィラメント送付後、改めてフィードバックが反映された第2版を500g送付するとしている。これとは別に、早期割引版(500g)も用意されている。

βテスターは125ドル(約1万5000円)、早期割引版は60ドル(約7200円)。目標額2万5000ドル(約302万円)に対し、12月23日時点で881ドル(約10万6000円)を集めている。Kickstarterでのプロジェクト期限は2016年1月18日。スケジュールが順調に消化された場合、βテスターへの先行出荷は2016年3月、早期割引版を含む本出荷は同年7月を予定している。

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