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モデルそっくり——老舗人形メーカーが3Dデータ技術を活用した岩槻五月人形を開発

創業大正3年の老舗人形メーカー 東玉(埼玉県岩槻市)は、国、埼玉県、デジタルハリウッド大学、企業と連携し、実在の子供をモデルにした岩槻五月人形を開発した。

同プロジェクトは、経済産業省 中小企業庁の平成25年補正「中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業」補助金を活用。凸版印刷総合研究所、基盤技術研究所の3Dデータ生成技術を使用し、実在の子供の写真を元に本人の面影のある五月人形を製作した。

埼玉県産業技術総合センターの協力で、人形のモデルとなる子供の表情を7台のカメラで同時に撮影。3Dデータのままではリアル過ぎるため、人形らしく加工するモデルデザインをデジタルハリウッド大学の学生が担当。Autodesk Maya、Autodesk Mudbox、ZBrushを使って製作した。頭部を3Dプリント後、東玉の人形職人が装飾し、新たに作成した着物をまとっての発表となった。

埼玉県産業技術総合センターの影山氏によると、3Dプリンタや3Dスキャナが、伝統的な人形制作に活用できると考えて技術開発に取り組んできたが、最終的な3Dでの造形センスは工房の人形職人にはハードルが高かったという。そこで、デジタルコンテンツのプロフェッショナルを育成するデジタルハリウッド大学に相談したところ、今回の協力が得られたそうだ。

今後は、学生と人形職人の交流により、新感覚の伝統工芸人形の誕生を期待するとしている。

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