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3Dプリント後に形状をカスタマイズできる——形状記憶フィラメント「SMP55」

プラスチック製品の製造販売を手がけるキョーラクと、形状記憶ポリマーの研究開発技術をもつSMPテクノロジーズは、形状記憶フィラメント「SMP55」を共同開発し、「フィラメント工房」ブランドより6月29日に発売する。

SMP55は形状記憶ポリマー素材を使った3Dプリンタ用フィラメントだ。3Dプリンタで造形された形状を記憶し、ガラス転移点(Tg)の55度以上に加熱すると軟化して容易に形状を変形でき、冷却すると変形したままで固定できる。そして再度Tg以上に加熱すると元形状に戻るという性質をもつ。

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同社によると、FFF(熱溶解積層)方式で使用される材料は、肌に触れる造形物には適さない硬い樹脂が多く、また造形後に形を変えることができないために3D データを精度良く作成するスキルが求められるなどの課題がある。

SMP55の造形温度は約200度で、冷却後の収縮は少ないという。変形後にそのまま冷却すれば形状が固定されるため、3Dプリント後にお湯やドライヤーなどで加熱して形状をカスタマイズし個人に合わせてフィットさせたり、ひとつの3Dデータから複数の形状を作り出すことが可能になる。

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また、SMP55は生体適合性素材であり、メガネやギプスといった肌に直接触れるものの造形にも適しているという。これまで3Dスキャンによるオーダーメイドで作っていた義手や義足など、医療分野での利用も可能だとしている。

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