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スミソニアン博物館、アポロ11号指令船の3Dデータ公開——3Dモデル化にはオートデスクが協力

米スミソニアン博物館は、アポロ11号司令船「コロンビア」の高解像度3Dスキャンデータを公開した。歴史上初めて人類を月面に到達させたアポロ11号のミッションで、ニール・アームストロング船長はじめ3人の宇宙飛行士が活動した指令船を、高精細3Dモデリングしたものとなる。

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司令船の内部は通常見ることができないが、今回の3Dスキャンデータ公開により、インターネット環境があれば誰でも指令船の内部構造を3Dビュワーで閲覧できるようになった。また、データファイルをダウンロードして、3Dプリントしたり、VRゴーグルによって内部を立体視したりすることもできる。

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この3Dモデル化には、スミソニアン博物館のテクノロジー パートナーとして、オートデスクが協力している。コロンビアの表面には反射材が使われており、また内部には多数の複雑な計器類が並ぶため、市販のスキャナを改造した独自機材を使用し、複数個所で測定されたデータを統合していく形で進められた。スキャンは7種類の異なる方法で実施され、測定点は約1兆ヵ所に及ぶという。データ容量は圧縮しても1テラバイト以上で、非常に詳細なマスターモデルとなった。

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また、これまで知られていなかった、宇宙管制センターから送られた数値や情報を宇宙飛行士らが壁や機器パネルに書き留めた「宇宙飛行士の落書き」が発見された。手書きのカレンダーもあり、着陸日を除くすべての日に×印が付けられていた。これら落書きも、3Dモデルで閲覧できる。

スミソニアン博物館は 2013 年に開始した 3D スキャニングとイメージング プログラム「Smithsonian 3D コレクション」として、同博物館が所有しているライト兄弟が開発した「フライヤー号」、超新星残骸のカシオペア座 A、鯨の化石、6 世紀の仏像などのデータを公開している。

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