町工場が生み出すテクノなグルーヴ——工作機械の音と映像を楽曲にする「INDUSTRIAL JP」
2016/10/25 15:00
日本の町工場をレーベル化するプロジェクト「INDUSTRIAL JP」が、高い技術力を持つ町工場で稼働するアナログな工作機械が生み出す音と映像をリミックスした音楽作品を発表した。
INDUSTRIAL JPの運営チームは、日本の町工場の高い技術力と、生み出される最先端の製品に感銘を受け、その高い技術力を絶やさぬよう、彼らの魅力を発信し、国内の製造業を盛り上げる一助になりたいとレーベル設立の動機を明らかにしている。
同プロジェクトの公式ページでは、下記6作品のミュージックビデオと楽曲の元になった各社とのインタビューなどを公開中だ。
小松ばね工業は、精密ばねの製造に特化した町工場。その製造過程で鳴り響く複雑な音を基に、DJ TASAKA氏が他に類のないエレクトファンクを生み出した。この作品には「羽田空港から飛び立つジャンボジェットの部品の一部になって世界にTAKE OFF!」という願望が込められている。
1日に約40万本ものねじが製造される浅井製作所では、ねじが宙を舞い、整列し、次々に完成されていく。その過程で絶え間なく鳴り響く無個性なリズムとビートを生かし、Dorian氏がきらびやかな楽曲を作り上げた。
何十トンもの力で金属板をプレス加工する新栄工業。1枚の金属板を折り曲げる瞬間に起きる地響きのような音が、一定の間隔をおいて工場内に響きわたる。その重厚な響きを、DJ Gonno氏が立体的な音響でトラックに封じ込めた。この楽曲では揺らめきや彩りを極限まで抑え、鋼色の音色をひたすら紡いでいる。
また、作品ID4:坂本製作所×Cherryboy Function、作品ID5:五光発條×Sountrive、作品ID6:岩佐歯車製作所×Inner Science も公開中。各楽曲は、同プロジェクトページのリンクから1曲249円でダウンロード購入できる。