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ハンドルータで板材をCNC加工する——350ドルの「Maslow CNC」

木工用ハンドルータを利用するCNCキット「Maslow CNC」が、Kickstarterにて出資を募っている。

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Maslowは、一般的なCNCとは異なり、作業台の上部左右にエンコーダを内蔵したDCモータで駆動されるギアユニットを配置し、それに左右2本のローラーチェーンをかけて、中央に木工用ルータを取り付けた加工ユニットを吊り下げ、コントローラで上下左右に動かしながら加工するという独自の構造をもつ。

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ローラーチェーンで吊るす仕組みとしたことで、作業領域は約1.2×2.4mと、この価格帯のCNC加工機では例がないほど広い。作業領域は実質的にチェーンの長さで決まるので、キットに含まれるチェーンのコマ数を増減することで、自分が作る作業台に合わせて調整することもできる。

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モータに内蔵したエンコーダの分解能は1回転あたり8148ステップで、実際の加工部でのXY精度は0.4mm程度とのこと。ローラーチェーンにテンションがかかるよう、レンガを錘として使い、ギアのバックラッシュをなくして精度を上げている。Z軸についてはリフターなどはなく、基本的にルータビットをセットした位置で固定される。

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キットを組み立てるには米国サイズの合板2枚(4×8インチ:約1.2×2.4m)と2×4材3本(10フィート:約3m)と一通りの木工作業が必要となる。ビットの選択や加工速度は、通常の板材加工と同様だ。ルータとしてRidgid(リジッド)の「R2200」を推奨しているが、固定ベースタイプのものなら利用できるだろう。

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Maslowは、GPLv3に基づきすべてのハードウェア/ソフトウェアがオープンソース公開されている。加工データにはGコードを使っており、作成には例えばDXF形式やSVG形式で出力できるアプリケーションが利用できる。

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価格は、スタンダードキットとなるMaslow CNC Machine Kitが350ドル(約3万6800円)。キット以外に、ルータ、錘として使うレンガ2個、合板2枚と2×4材3本が必要となる。Beta Tester Kitは550ドル(約5万7900円)で、ハードウェアが完成した時点でキットを受け取り、ベータテスタとして参加できる。スタンダードキット完成までに変更が入った部品は送付するという。

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プロジェクトは11月23日までクラウドファンディング中。目標額5万ドル(約526万円)に対し、10月28日の時点で倍以上の12万ドル(約1260万円)を調達することに成功している。プロジェクトが順調に消化された場合、ベータテスタ用は2017年2月、スタンダードキットは2017年5月の出荷を予定している。

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