小学生から大人のエンジニアまで参加——「ファブ3Dコンテスト2016」最終審査結果発表
2016/11/25 14:00
ライフスタイルの変化などを基に文化と産業の新たな形を検討する慶應義塾大学ファブ地球社会コンソーシアムは、「ファブ3Dコンテスト2016」の最終審査結果を発表した。
2次審査および授賞式は11月19日に、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス主催「Open Research Forum 2016」の中で開催された。
ファブ3Dコンテスト2016は、新しい広がりを持った3Dプリンタの利活用法とそれを担う人材を発掘することを目的に、さまざまな3Dプリンタの活用方法を募集したものだ。
夏休みの自由研究を3Dプリンタでさらに発展させる「小学生・中学生の部」(カテゴリー1)、家族が喜ぶ3Dプリンタ活用法を考える「家族の部」(カテゴリー2)、今までにない3Dプリンタ活用方法にチャレンジする「フリースタイルの部」(カテゴリー3)、最も高いところから落としても卵が割れないパッケージ作成を競う「プロ/セミプロの部」(カテゴリー4)の4部門で募集され、2016年8月1日から10月31日の期間に開催された。
最優秀賞ノミネート作品を各カテゴリーから1点選出し、2次審査にて最優秀1作品と優秀賞3作品、各カテゴリーから魅力ある作品として特別賞を選出した。プロ/セミプロの部に関しては実戦大会で評価し決定した。
最優秀作品に輝いたのは、プロ/セミプロの部から、東京都の譜久原尚樹さんの「Reacushion(リアクッション)」だ。卵が割れないパッケージ作成において、地面に衝突するエネルギーを緩衝システムに利用できないかというアイデアを、内部をテーパー形状としたピストンの一端を卵が蓋をしてエアクッションを形成する構造で実現した作品だ。11月13日に鎌倉学園敷地内で実施された実戦大会では地上13mから落下させても卵が割れなかった点が評価された。
優秀賞/小学生・中学生の部に選ばれたのは福岡県の小学4年生平野喬久君の「スイカの維管束」だ。スイカの果肉中にある維管束の全体の形を確認するために、3Dプリンタで維管束のモデル作成にチャレンジしたものだ。
同賞家族の部は、福岡県の塩塚貴子さん親子による「虫歯の歯ブラシスタンド」が受賞した。3Dモデリング初心者の親子が、ワークショップ参加をきっかけに制作した作品だ。
同賞フリースタイル部には、自分の顔を仏像にして眺めてみればいつでも心穏やかでいられるという、DMM.make AKIBA テックスタッフ三谷知靖さんの「俺菩薩」が輝いた。
また特別賞として、小学生・中学生の部では埼玉県小学校4年の森本祐衣さんの「星の大きさと距離」、家族の部ではセント・メリーズ・インターナショナル・スクール中等部の高橋秀さんの「3D Printed IoT Pet Feeder」、フリースタイルの部では広尾学園高校2年渡辺康太さんの「3Dプリンターで『文字』を無理やり日用品にする」、プロ/セミプロの部では大阪府のプロダクトデザイナー是枝靖久さんの「voronoi egg shell」がそれぞれ選ばれた。
併せて大会に貢献したファブ施設として、カテゴリー1とカテゴリー2の受賞者2名をサポートした「ファブラボ太宰府」が受賞した。