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Formlabs、9999ドルのSLS方式3Dプリンター「Fuse 1」を発表——産業グレードのナイロン素材に対応

Formlabsは、アメリカのMIT Media Labで6月5日に開催された「The Digital Factory」にて、SLS(Selective Laser Sintering:選択的レーザー焼結)方式3Dプリンター「Fuse 1」を発表した。

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Fuse 1は、本体価格が1万ドルを切る低価格なベンチトップサイズSLS方式3Dプリンターだ。同社によると、これまで産業向けSLS方式3Dプリンターは約20万ドルと高価で、広いスペースと特殊な設備を必要とするため、小規模な施設では導入のハードルが高かった。

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Fuse 1はレーザーを光源とするSLS方式で、粉末状の素材を焼結して造形する。今回発表された素材はナイロンで、軽量で丈夫、かつフレキシブルで比較的低コスト、また曲げても元の形状に戻る性質を持つ。Fuse 1でプリントしたナイロン12の場合、最大引張強度は52MPa(XY)/50MPa(Z)、引張弾性率1800MPa(XY)/1900MPa(Z)、破断伸度14%(XY)/7%(Z)だとしている。

photo 交換可能なビルドチャンバー(出典:Formlabs Japan)

SLS方式では造形物はビルドチャンバー内の素材粉末中で形成されるため、サポート材が不要という特徴がある。また、Fuse 1ではビルドチャンバーごと交換すれば、プリント完了後すぐに次のプリントを開始でき、設備のダウンタイムを最小限にできる。なお、リサイクルパウダーを最大50%まで混入できるので、製造コストも削減できる。

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Fuse 1の本体サイズは677×668×1059mmで、重さが88kg。造形サイズは165×165×320mmで、造形スピードは10mm/時、レイヤー厚は100μmだ。ネットワークは、Ethernet/Wi-Fiに対応する。光源のレーザーユニットは波長1064nm、スポット径200μmで、1万時間以上の使用が可能だ。専用ソフトウェアを搭載し、.STL/.OBJファイルに対応する。

photo 出力例(出典:Formlabs Japan)
photo 出力例(出典:Formlabs Japan)
photo 出力例(出典:Formlabs Japan)
photo 出力例(出典:Formlabs Japan)

2017年後半に出荷予定のベータユニットは、同社サイトにて予約受付中。現時点では日本からの予約は受け付けていない。価格はFuse 1本体が9999ドル(約110万円)、クリーニングシステムや保守プラン込で1万9999ドル(約220万円)となっている。

なお、同社はThe Digital Factoryにおいて、SLA方式3Dプリンター「Form 2」を使った生産自動化ソリューション「Form Cell」も発表した。

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