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どこでもレーザー刻印できる——コンパクトカメラサイズのレーザー加工機「Cubiio」

携帯できるほど小型のレーザー加工機「Cubiio」が、Kickstarterにて大きな注目を集めている。

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Cubiioは、各辺50mmの小型キューブ型で、X-Yプロッタではなく小型ミラーでレーザーの照射方向を変えながら対象物に照射する半導体レーザー加工機だ。そのため、3脚にセットしたコンパクトカメラのような手軽さで、どこでもレーザー加工することが可能だ。

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このレーザーミラーを使用する方式では、特に照射エリアの周辺部で像に歪みが生じやすいという欠点があるが、Cubiioでは高価な光学系を用いることなく独自のアルゴリズムで歪みを補正し、高精度な加工を可能にしながらも低価格化を実現したとしている。

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操作はシンプルで、iOS 10/Android 4.4以上に対応した専用アプリから加工イメージのbmp/G-codeファイルを選択し、加工対象をセットすればよい。出力を落としたプレビューモードで実際の照射位置を確認できる。加工可能な素材は布、木材、皮革、フェルトなどだが、加工にかかる時間は同クラスのXY式レーザー加工機より長くなっているようだ。

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また、構造上周囲へのレーザー光の誤照射などを防止する必要があるが、Cuviioの安全機能として本体に3軸加速度センサーを搭載しており、本体作動中に揺れを計測した場合は直ちに照射を停止する。加えて照射開始には毎回パスワード認証が必要で、正規作業者以外が使えないようにしている。また、オープンなエリアでのレーザー出力は最大500mWに抑えられているが、いずれにせよ使用時は保護眼鏡の着用はもちろんのこと、作業者以外が付近にいない状況でのみ使用すべきだろう。また加工対象によっては有害なガスや煙が発生することにも留意したい。

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Cubiioの本体サイズは50×50×50mm、本体重量は150g。加工エリアは100×100mmで、対象物までの距離は150~160mmだ。レーザー系統の過熱防止用に温度センサーを内蔵している。

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なお、オプションとして加工エリアを保護し、クローズドな環境での作業を可能にするCubiioShieldも用意している。寸法は140×175×155mm、重量は980g。パーティションの内部サイズは130×130mmで、AC85~264V/47~63Hzの電源に対応する。CubiioShieldを使用する場合、レーザー出力は最大800mWとなる。

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Kickstarterでは、Cubiio Basicが299ドル(約3万2900円)、CubiioShieldとのセットとなるCubiio Suitが499ドル(約5万4900円)でそれぞれ購入できるプランなどを用意しており、最低25ドル(約2750円)の追加送料で日本への発送にも対応する。どちらにもアクセサリーとしてSDカード、充電用USBケーブル、ゴーグルが付属し、本体色は5色から選択できる。

photo 加工可能な素材と厚さ

CubiioはKickstarterにて9月20日までクラウドファンディング中だ。目標額2万5000ドル(約275万円)に対し、8月17日の時点35万ドル(3850万円)以上を集めている。製品発送は今年11月の予定だ。

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