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瞬間移動を実現するAVATARの開発を目指す——ANA、賞金レース「ANA AVATAR XPRIZE」開始

ANAは、Society 5.0(超スマート社会)の実現に向けた取り組みの1つに掲げる瞬間移動手段「AVATAR(アバター)」を実用化するため、XPRIZE財団が主催する国際賞金レースのテーマとして「ANA AVATAR XPRIZE」が採用されたことを発表した。

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同社によると、ANA AVATARとは、距離、身体、文化、時間、あらゆる制限を超える瞬間移動手段だと定義する。ロボティクスや物を触ったときの感覚を疑似的に伝える技術等を用い、離れた場所にあるAVATARを遠隔操作して、あたかもそこに自分自身が存在しているかのようにコミュニケーションや作業を行うことができるものだとしている。特に災害現場における救助や医療過疎地域での医療活動、地理的、財政的成約によって十分な教育機会を得られない人への教育機会の提供など、実際にその場に行くことが困難なさまざまな状況において力を発揮することが期待される。

このAVATARを実現させるためには、ロボティクスやVR、AR、センサー、通信、ハプティックス(触覚)技術などさまざまなエクスポネンシャルテクノロジー(指数関数的に急成長している技術)が必要となる。現時点ではそれらの技術は個別に開発が進み、融合して実用化するためには数十年を要することが予想されるため、同レースを開催することで世界的な関心をひきつけ、より早く実用化させたいとしている。

AVATARで人々を繋ぎ、世界をより良くするという「ANA AVATAR VISION」の下、上記のANA AVATAR XPRIZEによる開発加速に加えて、ANAが運営するクラウドファンディングサービス「WonderFLY」を活用した、技術関連のスタートアップ支援などを実施する。他にも大分県でのテストフィールドでのさまざまな実証実験や、JAXAなどとの産官学連携による月面施設の遠隔建設実証実験などを実施するとしている。

ANA AVATAR XPRIZEのレース期間は2018年3月12日から4年間。賞金総額1000万ドル(約10億6500万円)だ。

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