バッテリーなしで開封、水濡れを検知する「開封検知ICラベル」「水濡れ検知ICラベル」
2018/03/16 16:15
トッパン・フォームズは、バッテリーレスで簡易センサーとして利用できる2種類の検知機能付きICラベル、「開封検知ICラベル」と「水濡れ検知ICラベル」を新たに開発した。IDの取得に加えて、内部アンテナの断線を検知することで、「開封された」「水に濡れた」といったラベルの状態を簡便に把握でき、物品の管理業務の効率化や真贋判定業務の精度向上などに利用できる。
開封検知ICラベルは、内部の検知部と通信部にそれぞれ独立したアンテナを持ち、内部のアンテナの断線を検知することで、ラベルの破損を特定するもの。ラベルの外装に複数種のスリットを形成し、不正な開封に対しラベルを破断させて回路を断線するという特許出願中の技術を使っている。
通信距離が異なるUHFタイプ、HFタイプの2種類があり、いずれもNXP Semiconductors(以下NXP)のTag Tamper機能(チップ内の情報を保護する機能)を持つチップを採用。UHFタイプは、NXP UCODEチップを採用した長距離タイプで、開封/未開封を一括読み取りで判定できる。またHFタイプは個体管理が可能な近距離通信タイプで、NXPのNTAG213 Tag Tamperチップの採用により、スマートフォンなどの汎用端末での読み取りも可能だ。
また水濡れ検知ICラベルは、基材となる紙に同社の独自技術を用いて導電性のある金属アンテナを印刷配線したもの。水に濡れることによる紙の延伸に金属が追従できずアンテナが断線し、水濡れを感知する。アンテナの太さなどの工夫により、ニーズに合わせた水濡れ量の検知が可能だ。
同社では今回の製品を、貴金属や高額な化粧品の物流向けの真贋判定用途や、医薬品の使用/未使用判定を行う物流現場に向け導入を促進する。使用するシステムや読み取り用リーダー関係も含め、検知機能付きICラベル関連で2020年度までに30億円の売り上げを目指すとしている。