STマイクロ、最大4mまで測定できるToF測距センサー「VL53L1X」を発表
2018/03/20 11:30
VL53L1Xは、投射した光子が対象物に反射して戻ってくるまでに要した時間から距離を直接測定する同社のToF(Time of Flight)技術であるFlightSenseを使用した測距センサーだ。従来のIRセンサーは反射光の信号強度を使うため、測距は対象物の表面状態に依存したが、ToFセンサーは反射光の飛行時間を使うため、表面状態に依存せず、正確な測距が行えるという特徴がある。
サイズは4.9×2.5 ×1.56mmの小型パッケージに、レーザードライバー、レーザー光源、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)受光器、マイクロコントローラー、メモリなどが集積され、I2Cインタフェース、シャットダウンや割り込みピンなどを備えている。同社従来品のVL53L0Xとピン配置互換性がある。不可視光線である940nmの光源を使用しており、外乱光の影響を抑えることが可能だ。測定性能を損なうことなく、開口部をカバーガラスの裏側(筐体内部)に配置することができる。
小型ロボットの壁面検知、段差検知、衝突回避、ドローンや無人航空機(UAV)のホバリングやランディング補助機能などに適し、省電力の人体検出モードを有しているため、カメラのオートフォーカスアシストやジェスチャ認識、人の接近を検知してパソコンやIoT機器のスリープ状態を切り替える革新的な自動スリープやウェイクアップ機能も実現できる。洗面用品や設備の自動化、自動販売機やスマートシェルフの在庫管理を行う商品数の集計といった用途にも応用できるという。
VL53L1Xは現在量産中だ。