3Dプリンターを使ったGEの新型ターボプロップエンジン「Catalyst」
2018/04/25 08:30
GEは、これまでPlatt & Whitneyの独壇場だった小型ターボプロップエンジン市場に参入し、2020年のサービスインを目標にTextron Aviationの新型ビジネス機「Cessna Denali」に搭載するターボプロップエンジンを開発中だ。
「Catalyst」と名付けられた新型エンジンの軸出力は850~165SHP。製造に3Dプリンティングを導入することにより、高度な設計と部品点数の削減が可能になったという。Catalystでは、チタンやアルミ、スチール製の複雑な部品の製造に3Dプリンターを用いており、同社によれば855個の部品を12個のコンポーネントで置き換えるなど大幅な部品点数の削減に成功したという。これにより最大20%の燃料消費削減と、同クラスのエンジンに比べて10%の出力アップを実現している。
Catalystは、新開発の推進統合システム「FADEPC(Full Authority Digital Engine and Propeller Control)」を採用し、従来2つのレバー操作が必要だったエンジン出力とプロペラピッチのコントロールを1つのレバーで行えるようにしているので、パイロットの負担が減り、プロペラを持たないジェット機感覚で操縦することができるという。
Catalystは2017年12月に初始動し、今後2年かけて認定試験が行われる予定だ。
Catalystが搭載されるCessna Denaliは、全長約15m、翼幅約17m、定員8~11名の単発機。最大巡航速度は時速約520km、航続距離約3000km(乗客数4の場合)。2015年に発表され、2018年後半に初飛行が予定されている。
(fabcross for エンジニアより転載)