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RF MEMSスイッチを改良——次世代携帯電話向けに高耐久性MEMSスイッチを開発

次世代の無線端末では、利用する通信方式に応じて回路構成を動的に再構成する無線回路技術が重要だ。そのため、特に小型化が求められる携帯電話では、RF(高周波)MEMS技術が重要になる。

信号をON/OFFするスイッチを半導体で構成する場合、その非線形性が信号成分に変換され、信号を劣化させるという課題がある。これに対して、微小な機械的リレー装置と呼べるMEMSスイッチは、メカニカルに回路構成を切替えるため、損失がなく効率が高い。広い周波数帯域に渡って高い性能が得られるが、微小な電気接点を物理的に動かすという構造上、耐久性に課題があり、5G端末には向かないとの見方もある。

そこでMEMSスイッチの耐久性を向上させるため、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校の研究者達は、静電浮上(electrostatic levitation)技術を応用したMEMSスイッチを考案した。研究成果は、米国物理学協会の『Applied Physics Letters』誌に掲載されている。

多くのMEMSスイッチは静電引力を使ってカンチレバーを引きつけ、可動電極を固定電極に接触させてスイッチを閉じる方式を採っている。同学の考案した方式は逆に、静電浮上を使ってカンチレバーを浮かせ、可動電極を固定電極から離してスイッチを開ける。つまり、一般的なMEMSスイッチは通常開いているノーマルオープンタイプだが、同学のMEMSスイッチは通常閉じているノーマルクローズタイプということだ。これにより電極の衝突によるダメージを抑え、信頼性を高めることができるという。

このMEMSスイッチを考案したSherry Towfighian助教授は、「このデザインにより、携帯電話の寿命を伸ばし、部品交換の頻度を減らすことができる。また、電源が過電圧になった時に切断する回路にも、このMEMSスイッチが使える」とし、その有用性について述べている。5G端末に求められる高性能、高耐久性RFスイッチへのニーズに応える技術となる可能性がある。

fabcross for エンジニアより転載)

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