AIが行動パターンを学習して次の操作を予測——指輪型スマートデバイス「Aina」
2019/07/01 15:30
スマートフォン上のアプリと連携して動作する指輪型スマートデバイス「「Aina」がKickstarterでクラウドファンディング中だ。
Ainaは、家電コントロール、電子キー操作、通話、音声アシスタントとの会話などができる指輪型スマートデバイスだ。Ainaには、「AIユーザーインターフェース(AIUI)」、「近距離指向性サウンド(Near Field Directional Sound/NFDS)」などの技術が使用されている。
Ainaを使うには専用アプリをスマートフォンにインストールして、スマートフォン上でショートカットを設定したいアプリを選択する。選択されたアプリに関連する行動パターンを、AIUIが機械学習アルゴリズムを使って学習し、操作を予測して設定したショートカットをユーザーに提示する。ユーザーは、センサーを内蔵しているリング側面を上下左右にスワイプしてショートカットの承諾/拒否/延期(スヌーズ)を選択でき、Ainaはバイブレーションで応答する。使い始めて3週間もすれば、予測の確度は飛躍的に高まるという。
他にも、IFTTTを利用したスマート家電のコントロール、Uberを使ったタクシー手配、Bluetoothによる接近解錠ができる。また、米国内のみだが、自動車API「Smartcar」に対応しているコネクテッドカーであれば、Ainaを使った施錠や解錠も可能だ。
NFDSは音を一点に向かって集中させる技術で、記事執筆時点で特許出願中だ。Ainaをはめた指の指先を耳に近づけると、内蔵スピーカーからの音を耳に焦点を合わせて集中させるので、通話や音声アシスタントの音声はユーザーだけに聞こえるという。
Ainaのリングはスピーカーとマイクロフォンを内蔵しており、さらに、フェース部の背面(リング側)にも別のマイクロフォンが配置されている。手で耳を覆うようにして使うこともできるようだ。
また、Ainaに搭載された音声起動機能により、家電などを音声でコントロールできるほか、6軸モーションセンサーを内蔵していて歩数や消費カロリーの記録もできる。スマートウォッチ同様にアラーム付き時計として使ったり、メールの着信通知などあらかじめ設定したアプリからの通知を確認したりすることも可能だ。
Ainaのフェース部の大きさは26×17×6.5mm。重さは15gだ。リングサイズは出荷前に指定する。防水性能の保護等級はIPX7(防浸形)だ。Ainaは充電式で、1回の充電で1.5~2.5時間の連続通話が可能。待受時間は36時間だ。通信機能はBluetooth 5.0で、アプリはiOSとAndroidに対応している。
Ainaの特別早期割引価格は、グロスブラック/マットグレイ/マットブラックが249ドル(約2万7000円)、ゴールド/プラチナ/ローズゴールドが269ドル(約2万9000円)だ。いずれも充電キットと設定マニュアルを同梱する。出荷は2020年2月の予定だが、日本への送料は未定だ。
なお、AinaはBluetoothを使用するが、日本国内で使う場合は、技適(技術基準適合証明/認定)を取得していなければならないので、注意が必要だ。
Ainaは3万ドル(約320万円)を目標に、2019年7月17日までクラウドファンディングを実施する。2019年7月1日時点で、目標額を上回る約3万6000ドル(約390万円)を既に集めている。