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集積回路に”第三の革命”が訪れるか——「マイクロ」「光」に続くカギは「光と音」の相互作用

ここ最近、光-音の相互作用をチップ上で制御する研究が発展している。この新世代の集積回路により、5Gやブロードバンドネットワーク、衛星通信、センサー技術、レーダーシステム、防衛システム、さらには電波天文学までもが一変するかもしれないという。

そのような研究、「ブリルアン統合フォトニクス」の歴史と可能性について概説するレビュー論文が2019年8月19日、『Nature Photonics』に掲載された。この論文は、シドニー大学のBen Eggleton教授をはじめとする同分野のグローバルリーダーたちによって執筆された。

集積回路の分野においては現在、第二次世界大戦後のマイクロエレクトロニクス、今世紀の変わり目の光エレクトロニクスに次ぐ、“第三の革命”がやってきているという。“第三の革命”は、チップ上の光と音の相互作用に着目したものだ。

物質の中での音波による光の散乱を「ブリルアン散乱」と呼ぶ。例えば、データが光ファイバの中を光速で通過するとき、ファイバの内部で飛び跳ねる光波のエネルギーが小さな振動を生み、光を散乱させる。

ほとんどの電子産業/通信産業にとって、この光の散乱は厄介で、信号のパワーを減少させるものだった。しかし、このブリルアン散乱を用いて、新世代の集積回路が開発されつつある。

光は音より10万倍速く伝わるという速度の差があるため、従来、非常に小さなスケールで光波と音波を同時制御するのは困難だった。しかし、ここ10年間に大きな進歩が見られ、現在ではブリルアン散乱のような光と音の強力な相互作用を単一のチップで制御できるようになった。

ブリルアン統合技術は、量子レベルでの音-光の相互作用における基礎的な発見から、モバイル通信に使う柔軟なフィルターなどの非常に実用的なデバイスまで、幅広い範囲に影響を与え得るものだとEggleton教授は説く。

従来のマイクロチップには、電力消費が大きく、大量の熱を発生するという課題がある。それに対し、光子(光)とフォノン(音)の間に強いフィードバックループを生み出すことができる誘導ブリルアン散乱(SBS)プロセスは、熱を出さず、音波を利用して光情報を処理する。SBSを用いた集積回路を実用化できれば、フライトシステムやナビゲーションシステムの部品の重さを100~1000分の1にまで軽量化できる可能性もある。

商業的な活用の前には克服すべき障壁がいくつかあるが、サイズ、重量、消費電力の面で、十分に努力する価値があると研究者たちは期待を寄せている。

fabcross for エンジニアより転載)

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