新しいものづくりがわかるメディア

RSS


Formlabs、新型3Dプリンター「Form 3」を2019年末までに国内出荷

Formlabsは2019年4月に発表した光造形方式の3Dプリンター「Form 3」の国内販売を開始し、2019年末までに出荷すると発表した。価格は57万5000円(税別)。

Form 3は同社が2015年に発表したSLA(光造形)方式3Dプリンター「Form 2」の後継機で、独自に開発した造形方式「LFS(Low Force Stereolithography)」を採用したモジュール式コンポーネント「Light Processing Unit(LPU)」を搭載している。LFS方式の採用によって造型時に造型物にかかる力が弱くて済むため、より薄い造形やサポート材を減らせるほか、Form 2では造形位置によってはレーザーが照射される角度が垂直ではないために、細部の表現にばらつきがあった点も解消できるとしている。

Formlabsが独自開発したLPUの解説図(画像提供:Formlabs) Formlabsが独自開発したLPUの解説図(画像提供:Formlabs)

Form 3の最大造形サイズは現行機種のForm 2の145×145×175mm(幅×奥行き×高さ)に対し、Form 3が145×145×185mmで10mm高くなった。積層ピッチは25~300μmでForm 2から変更はない。 外形サイズと重さはForm 3が405×375×530mmで17.5kg、インターフェースはイーサネット(1Gbps)、Wi-Fi(2.4/5GHz)、USB 2.0。コントロールパネルは5.5インチのタッチスクリーン対応液晶ディスプレイ(1280×720ドット)。レーザーの出力はForm 2と同じ250mWだが、レーザースポット径がForm 2の140μmに対し、Form 3は85μmに絞っている。

Form 3の造形サンプル Form 3の造形サンプル

造形エリアの内部には26点のセンサー(Form 2では20点)があるほか、造形の失敗を早期に発見する機構を設けたことで、仮に造形時に不備があった場合でも早期にアラートを受け取ることができるようになるという。

また、Form 2用に販売しているレジンがそのまま使用できるほか、Form 2のレジンカートリッジやビルドプラットフォームはForm 3でも使用でき、Form 2ユーザーは本体とレジンタンク以外はForm 3と併用できる。

Form 3は販売代理店を通じての販売(一部代理店は既に販売)となるが、製品の出荷は2019年末までに開始の予定。価格は57万5000円(税別)だが、Form 2を所有している場合は購入時に販売代理店にシリアル番号を添えて注文すると、51万8700円(税別)に割引される。

Form 3の5倍サイズまで造形できるForm 3Lの発売時期は未定

キャプション Form 3と併せて披露されたForm 3Lの最大造形サイズは、Form 3の約5倍(体積比)となる335×200×300mm。 キャプション Form 3と併せて披露されたForm 3Lの最大造形サイズは、Form 3の約5倍(体積比)となる335×200×300mm。

Form 3と併せて2019年4月に発表されたForm 3Lについては、アジア・太平洋地域での販売体制が整っていないとして発売時期と価格は未定だが、近日中には発表する予定だという。また現行機種のForm 2も併売するが在庫がなくなり次第、販売終了になる予定だ。

3Dプリンターのユニコーン

2019年7月にNew Balanceが発表したスニーカー「990 Sports」。ソールのかかと部分はFormlabsの3Dプリント技術が活用されている。 2019年7月にNew Balanceが発表したスニーカー「990 Sports」。ソールのかかと部分はFormlabsの3Dプリント技術が活用されている。

都内で開かれた記者発表会に登壇したFormlabs CPO(最高製品責任者)のダビッド・ラカトス氏と、CMO(最高マーケティング責任者)のジェフ・ボエーム氏によれば、2015年の発表から現在に至るまで、約5万台のForm 2を販売、アジア・太平洋地域では約8000台を販売している。

Formlabsは2011年にMITメディアラボに在籍していた学生3人で創業。当時1台あたり30万ドル(約3240万円)もする産業用の光造形方式3Dプリンターを、造形品質を維持しながら100分の1の価格に下げ、気軽に利用できるインターフェースにすることをコンセプトに、同社としては初の3Dプリンターとなる「Form 1」を2012年に開発した。

現在ではアメリカに2拠点、ドイツ、ハンガリー、日本、中国、シンガポールに拠点を持ち、約150人のエンジニアや研究者を含めた500人以上の社員を抱える起業に成長している。米調査会社 CB insightsによれば3Dプリント業界のユニコーン(時価総額10億ドルを超える創業10年以内のスタートアップ企業)は金属3Dプリンターを開発するDesktop MetalとFormlabsの2社のみだ。

企業との協業も活発で、CADベンダーのAutodeskとの協業によるソリューション提供や、アメリカではGilletteやNew Balanceと提携した3Dプリントを活用した製品を発表、日本国内でもパーソナルモビリティを開発するWHILLと連携し、パーツを軽量化したモデルを発表している。

日本でこうした企業との連携を加速させる目的で、2019年10月に法人向けの検証センターを埼玉県内にてオープンする予定だ。

Formlabsの今後のビジョンを示した図。5年後の2024年には全世界の10億人が、10年後には世界中のほとんどの人がFormlabsのテクノロジーを活用した製品を使用している状態を目指しているという。(画像提供:Formlabs) Formlabsの今後のビジョンを示した図。5年後の2024年には全世界の10億人が、10年後には世界中のほとんどの人がFormlabsのテクノロジーを活用した製品を使用している状態を目指しているという。(画像提供:Formlabs)

関連情報

おすすめ記事

 

コメント

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る