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ロボット用センサー、宅配ボックス、手ぶら決済、3Dスキャン——HAX Tokyoが第1期4社の成果を発表

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起業 アクセラレータ

住友商事、SCSK、SOSVが共同運営するアクセラレータープログラム「HAX Tokyo」に採択されたスタートアップ4社のピッチ撮影会が2020年2月13日に都内で行われた。 当初、デモデイとしてイベント形式で成果発表する予定だったが、コロナウィルス対策の一環として映像配信による成果発表に変更。その収録の様子がメディアに公開された。

HAX TokyoはSOSVが深センとサンフランシスコで実施するアクセラレータープログラム「HAX」に接続するプログラムで、ハードウェアスタートアップに特化している。今回の4社は、2019年11月から2020年2月にかけて技術コンセプトやビジネスモデルの確立を中心にメンタリングを受けてきた。

4社は今後、HAXの選考に進む。採択されれば、4~8カ月かけて深センでプロトタイプの製造、デザイン、量産化体制の構築に取り組む。その後、2~3カ月の間サンフランシスコで、販売開始と成長を目指してアメリカの有力ベンチャーキャピタルからの資金調達を図るプロセスに進む。

発表企業は以下の通り。

Haloworld

Haloworld 代表取締役 司馬 天風氏。腰に取り付けているのは、ユーザーが歩きながら屋内をスキャンできるスキャナーの試作機。 Haloworld 代表取締役 司馬 天風氏。腰に取り付けているのは、ユーザーが歩きながら屋内をスキャンできるスキャナーの試作機。

Haloworldは、2011年の東日本大震災の後に福島県で創業。原発の廃炉に向けたソリューションとして、ロボットを活用した事業を展開している。

HAX Tokyoでは3Dスキャナーを使ったデータ作成/ダウンロードサービスを発表した。
同社が既に事業化している自律移動ロボットと、3Dスキャン技術を使ったソリューションで、屋内の複数箇所をロボットがスキャンし、室内の3Dデータを作成する。これによって図面の無い屋内のデータ作成や測量などを自動化できるとしている。

並行して、ユーザーが歩きながらスキャンできるスキャナーも開発中だ。ユーザーがスキャンしたデータをHaloworldが構築したクラウド環境に転送し、完成した3Dスキャンデータのダウンロードに対して課金する仕組みで、最終的にはロボットによるスキャンか、ユーザーによるスキャンのどちらかを選択できるようにしたいと司馬氏は述べた。

VOX

VOX 代表取締役CEO 原 庸一朗氏 VOX 代表取締役CEO 原 庸一朗氏

VOXは宅配便事業者向けのソリューション「VOX」を発表した。

段ボールを利用することによる環境負荷や再配達問題を解決するサービスで、VOXが宅配事業者に対し、段ボールの代わりとなる専用のボックスを提供する。

専用ボックスは専用のアプリを通じてのみロック解除できるため、第三者が開封して中身を持ち去ることはできない。現時点では個人宅の前に設置する宅配ボックスのサービス立ち上げを目指しており、既に複数社で実証実験も開始している。

自動走行車両の試作機 自動走行車両の試作機

最終的には送り主の事業者が商品をVOXの専用ボックスに梱包し、配送事業者が届け先の最寄りまで輸送した後に、専用の自動走行車両で各世帯まで配送する事業モデルを計画している。

PaylessGate

PaylessGate 代表取締役CEO 足立 安比古氏 PaylessGate 代表取締役CEO 足立 安比古氏

PaylessGateは、スマートフォンをカバンや服のポケットに入れたまま受付が瞬時に完了する電子チケットアプリを開発している。

自動車が高速道路のゲートを通過する際に利用するETC端末をスマートフォンに置き換え、個人が任意のゲートを通過した際に個人を特定/認証する仕組みだ。通信は、同社が独自に開発した15cm四方単位で詳細な位置情報を取得できる無線通信技術と、なりすましを防ぐ本人認証システムを採用している。

これにより、イベント会場の入場手続きや小売での決済、駅の改札などが手ぶらで可能になるという。まずは入退室管理のサービスを提供した後に、自動決済サービスに参入、最終的には個人認証と電子決済を組み合わせたプラットフォームサービスの提供を目指す。

Xela Robotics

Xela Robotics CTO アレクサンダー・シュミッツ氏 Xela Robotics CTO アレクサンダー・シュミッツ氏

Xela Roboticsは、過去にもfabcrossで紹介した早稲田大学出身のスタートアップで、ロボットアームに皮膚感覚を持たせるセンサーを開発している。

ロボットハンドが物体をつかんだ際の圧力を、指の部分にあるセンサーが前後/左右/奥行きの3軸で検知することにより、現状のロボットアームではできないような繊細な作業を実現する。

製品の展開先としては、工場の製造ラインやピッキング作業のロボットアームのほか、手術用ロボットを予定している。また、ライセンス提供することでゲーム用のデバイスへの適用も視野に入れている。

HAX Tokyoでは既に第2期の募集も開始しており、2月14日から3月26日まで毎週説明会を実施する予定だ。説明会の詳細や応募要件はウェブサイトに掲載されている。

※記事初出時、文中に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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