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国産スパコン「富岳」、Graph500で世界第1位を獲得——2位と3倍の性能差

スーパーコンピューター「富岳」が、大規模グラフ解析に関するスーパーコンピューターの国際的な性能ランキングGraph500において、世界第1位を獲得した。

大規模グラフ解析は、大規模で複雑なデータ処理が発生するビッグデータ解析において重要な指標となる。

今回の測定は、富岳全体の約58%にあたる9万2160ノードを用いて、約1.1兆個の頂点と17.6兆個の枝から構成される超大規模グラフに対する幅優先探索問題を平均0.25秒で解くことに成功。Graph500のスコアでは7万980ギガテップス(GTEPS)になる。前モデルであるスーパーコンピューター「京」の2019年6月時点のスコアは3万1302GTEPSで、その2倍以上といえる。また、今回ランキング2位の中国の「Sunway TaihuLight」のスコアが2万3756GTEPSで、約3倍の性能差があることが分かった。

今回のランクインは、理化学研究所、九州大学、フィックスターズ、富士通による共同研究グループによるものだ。同共同研究グループは京の時代から、スーパーコンピューター上で大規模なグラフを高速で解析できるソフトウェアの開発を進めてきた。また、今回「複数のノード間におけるグラフデータの効率的な分割方法」や「冗長なグラフ探索を削減するアルゴリズム」、さらに「スーパーコンピューターの大規模ネットワークにおける通信性能最適化」の各ソフトウェア技術を高度に組み合わせることで、今後予想される実データの大規模化や複雑化に対応できる世界最高レベルの性能を有するグラフ探索ソフトウェアの開発に成功した。

今回のGraph500第1位獲得は、富岳が科学技術計算で一般的に用いられる規則的な計算だけではなく、不規則な計算が多くを占めるグラフ解析においても高い能力を持つことを実証したものだ。また、さまざまな分野のアプリケーションに対応できる汎用性の高さも示すものだという。

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