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MIT、シルク製マイクロニードルで食品汚染や腐敗を検出するセンサーを開発

米マサチューセッツ工科大学(MIT)は、2020年9月9日、シルク製マイクロニードルアレイ(微小針集合体)で作られた食品センサーを開発したと発表した。マイクロニードルを食品のプラスチック包装に刺して貫通させ、食品に刺したマイクロニードルの色の変化から腐敗や汚染の兆候の有無を検出できる。研究成果は『Advanced Functional Materials』に2020年9月9日付で発表されている。

このマイクロニードルは、絹の繭から抽出した食用タンパク質であるフィブロインの溶液をシリコーン製の型に流し込み、乾燥させて成形。毛細管現象を利用してセンサーの背面に流体を引き込むように設計されている。マイクロニードルの長さは約1.6mmで、幅は約0.6mm。マイクロニードルの表面にバイオインクで「E」または「C」という文字をプリントし、特定の分子と接触した場合や特定のpH範囲になるとインクが反応して文字の色が変化し、食品の腐敗などを見分ける仕組みだ。

さらに、2種類のバイオインクも開発された。1つ目のバイオインクには大腸菌分子に敏感な抗体を混合。抗体が大腸菌分子と接触すると抗体の形状が変化して周囲のポリマーを物理的に押す力が働き、バイオインクの光の吸収方法が変化するため、色が変わる。この色の変化から汚染細菌を検知できる仕組みだ。もう1種類のバイオインクは、腐敗に関連するpHレベルに敏感なものを作製した。

実験では、大腸菌で汚染された溶液を生魚の切り身に注入し、その切り身にセンサーを取り付けたところ、約16時間後に大腸菌を検知するバイオインクが反応し文字の色が青から赤に変化したという。さらに数時間後には、pHレベルに敏感なバイオインクも反応して色が変わり、魚が腐敗していたことも示された。

今回のセンサー開発には、異分野の研究者間の協力があったという。Benedetto Marelli助教授の研究チームが植物に栄養分を供給するシルク製マイクロニードルを開発する一方、John Hart教授らは高解像度フレキソ印刷技術を開発し、低コストのプリンテッドエレクトロニクスやプリントセンサーを可能にする微細なパターンを作り出していた。会話をするうちに、お互いの技術を組み合わせれば食品の安全性を測定する食品センサーを作ることができるのではないかと思いつき、共同研究を始めたという。

Marelli助教授は「シルクは食べることができて全くの無毒であり、食材として使用することができます。そして、肉、桃、レタスなど多くの種類の細胞組織を貫通するのに十分な機械的強度もあります」と語っている。食品の表面を検査する従来のセンサーとは違い、食品パッケージを開封せず食品の品質を検査できることは大きな利点だ。今回開発された技術を活用し、食品がサルモネラ菌に汚染されていないかどうか、また、賞味期限切れの食品であっても安全であるかどうかを消費者が確認できれば、無駄な食品廃棄を減らすことができるのではないかと期待されている。

fabcross for エンジニアより転載)

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