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コロナ禍でも続く、学生たちのFABチャレンジ——「ファブ3Dコンテスト2020」表彰式

「ファブ3Dコンテスト」は、慶應義塾大学SFC研究所ファブ地球社会コンソーシアムが主催する、未来を担う才能を発掘するためのコンテストだ。3DプリントやIoT技術を扱う実践の場として過去4回にわたり開催されてきたが、2020年はコロナ禍での実施となったことを受け、オンラインチーム部門が初めて設置された。

「ファブのあるまちづくり」というテーマのもと、多くの作品が集まった「ファブ3Dコンテスト2020」 。2020年11月22日にオンラインで開催された授賞式の様子をお伝えする。

最優秀賞|「Pao」~二人がグッと近づく楽器~

photo 製作:鎌倉学園高等学校2年 滑川寛さん

最優秀賞を獲得したのは、離れた場所でも一緒に音楽を奏でられる楽器「Pao」。片方が奏でた音が、もう片方のスピーカーからも発せられ、遠くにいても連弾しているような感覚を味わえる。コロナ禍でのオンラインコミュニケーションの物足りなさへの着目とその解決法、それらを実現する制作技術の高さが評価されての受賞となった。

開発者の滑川さんは「3Dプリンターは困ったことを解決したり、誰かを楽しませたりできる。幅広い分野で活用される未来に向けて、自分も今からいろいろな用途で使っていきたい」と抱負を述べた。

優秀賞|PETボトルキャップナー

photo 製作:法政大学国際高等学校2年 吉澤流来さん

優秀賞に選ばれたのは、高齢者が少ない力でペットボトルを開けられ、そのまま持ち運びもできるアイテム「PETボトルキャップナー 」。地域の高齢者の困りごとを解決するために制作し、実際に多くの高齢者や医療職の人々からフィードバックをもらい、さらなる改善を施したものだ。

吉澤さんは「社会を良くするために、背景を知り、フィードバックをもらい、他の人に役立ててもらうことに喜びを感じた」と振り返った。審査員によれば、このほかにも「ファブ3Dコンテスト2020」には新型コロナウイルスやSDGsをテーマにした作品が多く寄せられ、いずれも高いレベルで社会課題の調査がなされていたという。

オンラインでの共同プロジェクト

photo 製作:「チーム:かいてきマスク 」Miwa (中学2年)、Iku (中学2年)、Koya (高校2年)

コラボレーション賞に選ばれたのは、オンラインチーム部門として参加した「チーム:外DE隊 」と、こちらの「チーム:かいてきマスク 」。使い捨てマスクを快適に使うため、通気性を持たせるためのアイテムを3Dプリンターで制作した。試作段階で粘土を検証ツールとして取り入れ、オンラインでのコミュニケーションに役立てたことなどが評価された。

photo

オンラインチーム部門では、応募者で構成されたチームと、全国のファブ施設関係者で構成されたアドバイザーが共にプロジェクトに取り組んだ。オンラインかつチームでの進行は運営側にとっても初めての挑戦であり、「外DE隊」のアドバイザーを務めた土山俊樹さん(北海道栗山町地域おこし協力隊)は、「タイムマネジメントを意識したプロジェクトの管理が難しかった。アドバイザーとしての経験を今後のラボ運営にも生かしていきたい」と感想を寄せた。

非常事態に生まれた新たな価値

コロナ禍での多くのチャレンジと共に実施された「ファブ3Dコンテスト2020」。ファブ地球社会コンソーシアムの田中浩也教授(慶應義塾大学環境情報学部)は、激動の1年を振り返りながら受賞者たちに次のような言葉を送った。

photo 表彰式の参加者で記念写真。最上段中央が田中教授。

田中教授:新型コロナウイルスによって、自宅で物を作る人が増えました。料理をしたり、植物を育てたり。外に出られない状況のなかで、ひとりで物を作るだけでなく、さらにインターネットを使えば外部と結びつくこともできます。コンテストではfabbleを使って離れた場所にいる人たちが共同し、今日の表彰式もオンラインだからこそ実現できました。2020年という世界史に残る年に、自らアイデアを考えて行動した皆さんの表彰に立ち会えたことを嬉しく思います。

いくつかの発表には『製品化』というキーワードが出てきました。多くの人に使ってもらいたいという感情があるのだと思います。今年は3Dプリント製フェイスシールド を筆頭に、実用性の高いプロダクトが多く登場した年でもあります。来年以降は、最優秀賞を取ったものが製品化されるようなコンテストになるかもしれません。皆さんの周りにも、このコンテストを広めてくれると嬉しいです。

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