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下肢麻痺者向け補装具開発コンテスト「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」、最優秀賞決定

前輪搭載のパワーアシストとAIを活用した姿勢制御を組み合わせた自律制御機能付き電動車椅子「Phoenix i」

下肢麻痺者の移動の自由に貢献する革新的な補装具の実現に向けたコンテスト「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」において、イギリスのPhoenix Instinctの自律制御電動車椅子「Phoenix i」が最優秀作品に選出された。

photo 路面感知、姿勢制御機能を付加した電動式の外骨格「Quix」

トヨタ・モビリティ基金が2017年11月に開始した同コンテストには、世界28カ国 80以上のチームから画期的なアイデアが寄せられた。2019年1月に最終候補として選定した5チームが、本プログラムのテクニカルアドバイザーであるピッツバーグ大学人間工学研究所、NESTA(イノベーション推進に取り組む英国NPO)、トヨタ自動車の関連部門などから製品化に向けたアドバイスを受けながら試作品の制作を進めてきた。

photo 筋電気刺激を活用した下垂足(足首の麻痺)者向け歩行支援装置「The Evowalk」

2020年12月17日に最優秀作品の発表イベントが開催され、Phoenix Instinctを選出、作品の製品化に向けた活動資金100万ドルを授与し、支援を継続する。 同社のPhoenix iは、前輪搭載のパワーアシストとAIを活用した重心制御を組合せて車体の制御を容易にすると共に乗り心地を改善。下り坂を検知してブレーキシステムが作動する機構を搭載し、安全面での性能を向上させた自律制御機能付き電動車椅子だ。

photo 利用者一人で移乗・着座の移行を可能にし、立位状態で走行できる電動車椅子「Qolo」

最優秀作品以外のファイナリスト4チームには、筑波大学を中心としたチームの起立型電動車椅子「Qolo」も含まれている。これらファイナリストの作品についても、専門家とのネットワーキングやアドバイスなどによる支援を継続するとしている。

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