ロビットがAI搭載自動カットロボットを開発——雪国まいたけの製造ライン開発に合意
製造業向けのAIソリューションを開発するロビットは、雪国まいたけの製造ライン自動化を手掛けることに合意した。これまで作業員が担っていた、まいたけ株のカット工程を自動化することに成功。新人・中堅作業員と比較して2〜3倍の作業効率を達成し、実際の製造ラインへの早期導入を目指すとしている。
雪国まいたけでは、900gを超えるまいたけ株を作業員がカットし、50gから500gまで重量ごとにパックして販売している。正確に規定の重量ごとにカットするだけでなく、1パックでバランス良く異なる部位を選定し、見栄え良くパック詰めするなど独自に開発した技法を駆使したパッケージ工程には多くの作業員を要する。そのため、将来的な人員確保やコロナ禍における配慮の面から自動化を検討していた。
ロビットは2019年からカット工程を自動化するAIロボットの開発に着手。雪国まいたけのノウハウをAI化したアルゴリズムと、不定形かつ衝撃に弱いまいたけ株を安定的に把持しながら、規定重量ごとに切り分けるカットロボットを開発。熟練作業員と同等の作業レベルを実現したという。
ロビットは2018年にAIと画像処理技術、ロボットを活用した外観検査システム「TESRAY(テスレイ)」を発表。2020年には指先サイズの食品にも対応するなど、対応の幅を広げてきた。今回の発表は外観だけでなく、重さも考慮しながら複雑な作業を自動化するものだ。
今後、ロビットと雪国まいたけは実際の生産工程への実装と並行して、前後の工程にも自動化を適応させることを目指すとしている。