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折り紙をヒントに路面に応じて形を変えるタイヤを開発——凸凹道も砂地も平気

ソウル大学校(SNU)は、ハーバード大学、韓国のタイヤメーカーHankook Tireと共同で、路面の状況に応じて走行中でもサイズを変えられるタイヤを開発した。折り紙の「Waterbomb Tessellation」パターンをヒントにしたもので、1トン以上の重量にも耐えられる。研究結果は、2021年4月7日付けで『Science Robotics』に掲載されている。

コンパクトに折りたたんで運んだり、外部からの衝撃を吸収するために、折り紙の構造に着目したデバイスは多い。変形可能でありながら、設計、製造、組み立ては大幅に簡素化できるという利点もある。しかし、これまでは耐荷重性能に限界があり、用途が限られてきた。

SNUのバイオロボティクス研究所では2013年から、折り紙をヒントに変形可能なエアレスタイヤの開発をしている。研究チームは折り方の中でも、Waterbomb Tessellationパターンに着目。これは縦、横、斜めに細かく折り目を付けた後に、折り込んで立体にしていくものだが、チームはさらに、積載量や変形率などを考慮してパターンを最適化し、細く大きなタイヤから太く小さなタイヤへ変形できるように設計した。

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タイヤは厚みのある柔らかい複合メンブレンをメインとし、形状と強度を保つためにアルミニウム合金のプレートで挟んだ。プレート同士の隙間が、パターンの折り目になる。さらに、タイヤの摩擦力と衝撃吸収性能を上げるため、ウレタン製のトレッドパッドを備えた。ハブ部分を押し引きすると、タイヤが折り目に沿って変形し、直径と幅を変えられる。最大直径は0.8mで幅0.22m、最小直径は0.46mで幅0.48mだ。変形中でも、10kN(1019kg)以上の重量を支えられる。

実験では、1人乗り車両に新開発のタイヤと可変用のリニアアクチュエータを取り付け、毎秒1mで動かしながら、約5秒でタイヤを変形できることを確認した。起伏の激しい路面ではタイヤを大きく、砂地などではタイヤを小さくするなど、1種類のタイヤでさまざまな地形に対応できるため、輸送ロボットや惑星探査車など、高い機動力を必要とする分野での利用が期待される。

今回の実験ではタイヤの寿命や最大速度、振動や騒音については確認できていないが、研究チームは、現段階では一般的なゴムタイヤには及ばないことを認めている。ただし、ゴムタイヤの製造プロセスと統合するなど、材料や製造技術を最適化することで性能向上が期待できるとしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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