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南カリフォルニアの高校生、ローコストな家庭用の地震早期警報装置を開発

南カリフォルニアの高校3年生が、家庭や企業で地震の早期警報を発報する低コストの地震計を発明した。発明者であるVivien He氏は「この地震計は、スマート煙探知機のように家庭の安全装置として定着する可能性がある」と語る。この装置の製作コストはわずか100ドル以下だ。

装置はルービックキューブほどの大きさで透明なアクリルで覆われており、一般家庭向けのデザインとなっている。サイズは手のひらほどの7cm×7cm×5cmで、受振器と32ビットADCを用いて地表の振動を100Hzでサンプリングする。警報レベルはユーザー設定でカスタマイズ可能で、警報の管理はスマートフォンのアプリケーションまたは装置本体で行える。

さらにこの装置は、2020年9月以降にロサンゼルス周辺で発生したマグニチュード3.0以上の地震は全て検知しているという。例えば、南カリフォルニアで2020年9月19日に発生したマグニチュード4.6の地震を高いS/N比で検出。警報を鳴らし、地域の警告サービス購読者にテキストメッセージで警告を送る。標準的な地震波形であるminiSEEDファイルを作成することにも成功している。

彼女はこの装置に関する研究を米国地震学会(SSA)の2021年の年次総会で発表。地震計、アラーム、無線LAN、ソフトウェア、パッケージを統合したこのIoT装置を、試作品で100ドル以下、生産量を増やせばもっと安く提供できると紹介している。彼女はSSA Student Travel Grantを受賞し、全受賞者の中で唯一の高校生として助成金を受けて無料で学会に参加した。

「この地震計は、西海岸のShakeAlertシステムのような高価な科学レベルのシステムに代わる家庭向けの低コストのシステムとして、現在の地震早期警報システムのギャップを埋めるものだ」と彼女は言う。装置によって、地震が多発する地域の人々が数秒程度の地震発生警報を受けて避難行動を起こすことができ、また稼働中の施設や機械を自動的に停止させる手段を構築することが可能となる。

彼女は安価な地震早期警報システムを必要としている低所得者層の家庭や、耐震性の低いインフラがある地域の人々にこの装置を届けるために、非営利団体Melior Earthを設立した。「私は金銭的な利益を重視していません。それよりも、科学的な見地から、人々や地震防災に与える利益を重視しています」と彼女は言う。

fabcross for エンジニアより転載)

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