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東大とVIE STYLE、イヤホン型脳波計によるフロー状態の推定技術を開発

東京大学とVIE STYLEは共同で、イヤホン型脳波計を利用した脳のフロー状態(ほどよいストレス下で、何事かに極度に集中している状態)を推定する技術を開発した。研究成果はIEEEの「TechRxiv」上にて公開されている。

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ストレスには心理的または身体的にネガティブな影響をおよぼすディストレスと、逆にポジティブに働くユーストレスがある。東京大学によると、これまでディストレス状態をモニタリングする取り組みは多くなされてきたが、ユーストレス状態のモニタリング方法は確立されていない。そのような背景を受け、両者はユーストレス状態を高精度かつ簡便な方法でモニタリングする方法としてイヤホン型脳波計の開発研究を進めてきた。

今回VIE STYLEが開発するイヤホン型簡易脳波計「VIE ZONE」と、同大学で基礎研究用途で使用される研究グレードの脳波計測装置とで、外耳道から記録される脳波信号と、従来の頭皮上で記録される脳波信号の相同性を評価した。

また、ストレスがかかり散漫になる課題(罰則のある難しい記憶課題)と、ほどよいプレッシャーで集中し没頭できる課題(報酬がありほどよい難易度の記憶課題)を、複数課題実施している時の脳活動を記録。フロー状態とも呼ばれるユーストレス状態を人為的に作り出し、その時の脳の状態からフローの強さを予測できるかを試みた。

両者は今後もイヤホン型簡易脳波計を活用したデバイスの性能評価などの基礎研究をはじめ、状態推定などの応用研究を進めていく。またVIE STYLEは、感情や疲労、眠気などのさまざまな内的な状態を推定したり、映像や音声などの刺激により介入することで人の能力を向上するシステムの開発に取り組む。

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