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折り紙や切り紙ベースのメカニカル・メタマテリアルの分類法を提案——新しい構造設計を支援

CREDIT: Zirui Zhai and Hanqing Jiang

古くから多くの人に親しまれている「折り紙」や「切り紙」は、近年、科学の世界でも「Origami」「Kirigami」として広く知られ、特殊な機械的特性をもった人工材料「メカニカル・メタマテリアル」の設計に利用されている。中国とアメリカの研究チームは、新しい構造設計に役立てられるように、折り紙または切り紙ベースのメカニカル・メタマテリアルの分類法を提案した。研究結果は、2021年11月23日付けの『Applied Physics Reviews』に掲載されている。

「オリガミやキリガミは、元より、メカニカル・メタマテリアルといえる。なぜなら、その特性は主に折り目パターンやカットパターンによって決まり、使う材料にも多少影響を受けるからだ」と、西湖大学のHanqing Jiang教授は語る。

折り紙ベース、切り紙ベースのメカニカル・メタマテリアルは、柔軟性のある電子機器、医療機器、ロボット工学、土木工学、航空宇宙工学など、多くの分野で利用できる。研究チームは、既存の構造と知識を組み合わせて新しい構造を設計できるように、折り紙または切り紙ベースのメカニカル・メタマテリアルを分類することにした。

まず、研究チームはメカニカル・メタマテリアルを、「折り紙ベース(折るだけ)」「切り紙ベース(切るだけ)」「ハイブリッド(折る/切る)」の3つのグループに分類した。次に、各グループを弾性エネルギーの視点から2つに分け、エネルギーが折り目やつなぎ目だけに保存される場合は「剛性」、折り目やつなぎ目だけでなくパネル部分にも保存される場合は「変形可能」と分類した。例えば、人工衛星の太陽光パネルなどにも使われる「ミウラ折り」は「剛性折り紙」となる。

こうした分類を利用することで、新しい構造、中でも曲面を持った折り紙構造、ハイブリッド折り紙-切り紙構造、モジュラー構造、階層構造を発見できるとしている。特に、ハイブリッド構造は形状変化に有効だと着目している。応力の集中する折り目やつなぎ目の設計には注意が必要だが、ここでもハイブリッド構造を利用すると、互いの応力を軽減できる可能性がある。

また、材料の選択にも焦点を当てている。メタマテリアルの試作に従来通り紙を使うと、紙の脆弱性と可塑性のために、機械的特性が制限される。実用的な設計にするために、厚い/薄い、硬い/柔らかい、弾性/非弾性といった多彩な材料を考える必要があるとしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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