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MEMSベースのIEPE型計測マイクロホンを自作する

音響技術者のPeter Riccardi氏が、ハードウェア開発プロジェクトの共有サイトHackaday.ioに、約30ドル(約4100円)で製作できる高性能な音響測定用マイクロホンを発表した。

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Riccardi氏が開発した音響測定用マイクロホンは、MEMSマイクロホンをベースにIEPE方式で設計されており、ケースは3Dプリンターで出力できる。1000ドル以上するハイエンドのコンデンサマイクロホンと同等のノイズフロア、周波数応答、フラットネス、オーディオ帯域20Hz~20kHzの感度を目標にしている。

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プロトタイプの電気設計では2枚の基板を使っているが、最終的にはアセンブリがしやすいリジッドフレキシブル基板を採用する予定。1つ目の基板はMEMSキャリアボードで、円形PCBに4つのMEMSマイクエレメントを備え、パワーとシグナル用のスルーホールパッドを配している。2つ目の基板はプリアンプ部で、入力とMEMS出力用シグナルコンディショナーのほか、IEPE変換、出力調整を担うツェナーダイオードを搭載する。

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基板を収納する円筒状ケースのデザインはSOLIDWORKSで描いており、PLA樹脂を材料に3Dプリンターで出力可能。ベースの一方の端にMEMSキャリアボードを、反対側にBNCコネクターを、中央にマザーボードをねじ止めで装着し、蓋を被せる構造になっている。直径は、一般的な音響測定用マイクロホンと同じ1/2インチ(12.7mm)だ。

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MEMSキャリアボードの製造はPCBWayに依頼し、マザーボードはコスト削減のため手作業ではんだ付けしている。10ユニットのBOMコストは30ドル以内に収まったという。PCB Piezotronics製の自由音場コンデンサマイクロホン「378B20」との初期段階の比較検証では、良好な結果を示している。

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