NASA、隕石から宇宙船を守るシールドを開発中
2022/12/17 07:00
米航空宇宙局(NASA)は、ニューメキシコ州のWhite Sands Test Facilityにおいて、ガス銃を使って、宇宙空間での微小隕石によるインパクトを再現する実験を行っている。
微小隕石の速度は秒速50マイル(約80キロ)に達するといい、この速度であれば塵のような大きさの微小隕石でもスペースクラフトに深刻なダメージを及ぼす。NASAは火星表面で採取したサンプルを地球に持って帰る「Mars Sample Return」計画を欧州宇宙機関(European Space Agency)と進めており、微小隕石の衝突から守るシールド及びコンピューターモデルの開発が急務だ。
White Sands Test Facilityのガス銃は2ステージ構成で、第1ステージでは銃が弾丸を発射するように、火薬を使ってペレットが推進力を得る。そして第2ステージでは圧縮水素ガスを用い、細いチューブの中のペレットを加速する。これにより、ペレットは秒速5マイル以上の速度を得るが、これはサンフランシスコからニューヨークまでを5分で移動する速さに相当する。微小隕石は宇宙空間でこの6〜7倍の速度で飛来するが、実際の速度でのシミュレーションには、コンピューターモデルを活用する。ペレットによる実験によって、シールド設計に対する衝突の影響をシミュレートするモデルを評価し、衝突によって生ずるエネルギーに対する材料の反応の研究を可能にするとしている。
(fabcross for エンジニアより転載)