新しいものづくりがわかるメディア

RSS


ますますクールに進化——ボストン・ダイナミクス、建築現場で飛び跳ねる人型ロボット「Atlas」の動画を公開

ボストン・ダイナミクスは2023年1月19日、研究開発用ロボット「Atlas」の新たなデモ映像をTwitterとYouTubeで公開した。

同社が「Atlas Gets a Grip(Atlasは状況を把握している)」と題してTwitterに投稿した映像では、Atlasが人間の作業員に工具の入ったカバンを渡すため、自ら設置した足場用の板の上に飛び乗って登っていき、工具を届けた後に、ひねりを加えたジャンプで着地する様子が収められている。

Atlasがダンスをしたり、アクロバティックな動きを披露する映像は過去にも公開されているが、床に無造作に置かれた物体をつかんだり、新しくできた足場に飛び乗るような映像が公開されたのは初めてだ。

YouTubeに投稿されたメイキング映像では、研究開発の成果を伝える目的で制作されたものとしている。AtlasのチームリーダーであるScott Kuindersma氏は、「これまでの動画と同じように見えるかもしれないが、ロボットにダンスやパルクールをさせるよりも、より現実的な動作をするための研究を進めている。そのために、人間が行うような動作速度で実行することが重要になるが、そのために大幅なソフトウェアのアップデートが必要だった」と、説明している。

頭部に搭載されたカメラで物体の位置や形状、重さなど取り扱う上での制約などを認識させ、バランスを取りながら物体を持ち上げ、モーメントを計算し、必要な場所に正しく設置するようプログラムで制御しているという。

ボストン・ダイナミクスは4足歩行ロボット「Spot」と商用物流ロボット「Stretch」は販売しているが、Atlasは研究開発用途に位置づけられ一般販売していない。2013年7月に初めて公開されて以降、同社の技術力を示す象徴的なロボットとして認識されている。

今回のデモ映像は、その制御能力を披露するデモンストレーションの一環であり、実際に工事現場でアクロバティックな動きを披露することはないとKuindersma氏は述べている。工事現場のような過酷な環境で日常的に危険な仕事をこなせる人型ロボットの実用化には、まだ長い道のりが必要だが、この映像でそれに向かって何が行われているのかの一端を紹介したい、と公開の意図を説明している。

関連情報

おすすめ記事

 

コメント

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る