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Arduinoを使って復刻してみた——渦巻き状の盤面を移動するボールが時刻を示す自転式掛け時計

Arduino Nanoを使用して、赤いボールが時刻を示す渦巻き状の掛け時計の復刻版を作成したプロジェクトをArduino公式ブログが紹介した。

この渦巻き模様の掛け時計は、ロンドン在住のWill Aspinall氏とNeil Lambeth氏が2009年から販売していたハンドメイド壁掛け時計のデザインに基づいて作られている。元となった壁掛け時計の価格は540ドル(約8万円)だったようだが、YouTubeチャンネル「Build Some Stuff」を運営するKelton氏が自作して復刻してみた時計の材料費は約60ドル(約9000円)で、安価でありながら元の時計と同じ仕組みで動作する。

ユニークなデザインのこの壁掛け時計は盤面全体が渦巻き状になっており、本体全体が一定の速度で回転するので、ボールは渦巻きに沿って徐々に中心部に向かって移動する。ボールが転がりながら時刻を示す仕組みで、ボールは中心部に到達すると中心部の穴に入って落下し、最下段の穴から出てきて渦巻きの始まりに戻る。これが12時間サイクルで繰り返され、渦巻き状の経路に刻印された数字とボールの位置で時刻を確認できる。

Arduino-based Spinning Spiral Clock

復刻版の時計の動作機構にはArduino Nano、Nema 17ステッピングモーター、ステッピングドライバー、コンデンサーなどが使用されており、Arduino Nanoが一定の速度でステッピングモーターを回転させるというシンプルな構造だ。

開発ボードにはESP32が搭載されているため、ネットワークにWi-Fi接続して時刻を取得して同期させることも技術的には可能だったが、単に一定の速度で本体を回転させる設計を採用している。

ほとんどの部品はCreality製22Wレーザー彫刻機「Falcon 2」を使用して合板を切断して作成されているが、一部の部品は3Dプリントして作っている。

復刻版の時計では、ボールが時計の最下段から中心部の穴にたどり着くまでには5回転する必要があり、なおかつ、ボールは12時間かけて最下段から中心部まで移動する必要がある。したがって、本体を12時間で1800度回転させる必要があるので、これらの数値から算出して、正時を示す各数字をそれぞれ150度ずつ離して渦巻き状の経路に配置している。

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