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土壌からニッケルを吸収する高蓄積植物を開発

米Viridian Resourcesは、土壌からニッケルを吸収して葉と茎に濃縮する高蓄積植物(hyperaccumulating plants)を開発した。

この植物は、土壌からニッケルを吸収して葉や茎に蓄積する性質を備えており、収穫後に乾燥、灰化することで、商業的に価値のあるニッケルを豊富に含んだ濃縮物が得られる。この濃縮物は、高品質な原料として既存の製錬所や精製所へ提供できる。このように植物を使って土壌から重金属を集める技術は「ファイトマイニング(Phytomining)」と呼ばれ、熟練した労働力や特殊な設備を必要としない。通常のプロセスでは商業的に採算が取れないとして廃坑あるいは未採掘となっている金属鉱脈を、ファイトマイニングにより有効活用できる可能性がある。

同社の試算によれば、1000ヘクタール(10平方km)の土地から、年間1万5000~2万5000トンのバイオマスが生産できるとして、ニッケル含有量が約2%ならば250~550トン程度のニッケルが回収できる。1ポンド(約450g)あたり6ドル(約910円)の市場価格で計算すると、年間で約300~700万ドル(約4億5000万~10億6000万円)のニッケルを産出できるとしている。

これに加えて、バイオマスを燃やす際に6500Btu/lb(約1万5000kJ/kg)の熱が発生するが、これを発電に利用すれば2万5000トンのバイオマスから約1万5000MWhの電力を発電できるとしている。これは1MWhあたり80ドル(約1万2000円)として約120万ドル(約1億8000万円)相当の電気エネルギーを生産できることになる。

fabcross for エンジニアより転載)

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