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赤と青の光で3次元像を描き替え可能なプラスチックキューブ

Photo by Sara Patch. Engraving by Ivan Aprahamian

米ダートマス大学と南メソジスト大学の研究チームが、光でプラスチックキューブ内に3次元像を生成する方法を開発した。医師が、患者の心臓、脳、腎臓といった臓器のレプリカを同プラスチック上に作製し、持ち運べるようになるという。3次元像は使用した後に熱や光で消去できるため、同プラスチックは繰り返し再利用できる。同研究成果は2024年8月9日「Chem」誌に掲載された。

同技術は、赤と青の光に反応するアゾベンゼンと呼ばれる感光材を含むプラスチックキューブを使用する。赤い光は、インクのように働き、プラスチック内部に画像を生成する。一方、青い光は、不要になった画像を消去する。さまざまな角度からの光がプラスチックに照射され、3D画像を生成できる。

研究チームは、薄膜から厚さ6インチ(15.24cm)までの同プラスチックを使用し、高解像度の3D画像化技術を実証した。また、像は光で描きなおせるため、像のアニメーション化にも成功した。

ダートマス大学のIvan Aprahamian教授は、「本プラスチックは、可逆性のある3Dプリントのように機能する3Dディスプレイです。VRのヘッドセットなどの複雑な機器は不要であり、必要なのはプラスチックとわれわれの光技術だけです」と説明した。

同技術は、医療のみならず、建築や教育、さらには芸術まで、多様な分野に貢献するという。研究チームは現在、キューブの拡張にとって課題となる解像度とコントラスト、リフレッシュ速度の向上に向け、感光材の改良に取り組んでいる。

fabcross for エンジニアより転載)

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