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世界初、完全自律型ロボットで核融合施設の内部を点検——35日間にわたる試験に成功

UKAEAofficial/YouTube

英国原子力公社(UKAEA)とオックスフォード大学のOxford Robotics Institute(ORI)は2024年9月19日、世界で初めて完全自律型ロボットを核融合エネルギー施設の内部点検に使用したと発表した。この試験はUKAEAの欧州トーラス共同研究施設(JET)で35日間にわたって行われた。

これまで核融合発電所に必要な定期メンテナンスでは、ロボットによる点検の際に人間が判断を下し操作していた。それに対し今回のプロジェクトは、自律型ロボット技術の信頼性を立証し、「核融合施設での長期間にわたる点検に自律型ロボットを使用する」ことに対する、信頼と自信を浸透させようというものだ。

世界最大級の核融合研究用マシンであるJETは運転停止中だが、その前の3年間に2回の大規模な重水素/三重水素実験を実施したことで、依然として危険な環境となっている。この状態は、ORIの自律プラットフォーム「AutoInspect」を用いて、米Boston Dynamicsの四足歩行ロボット「Spot」を制御するテストをするのに理想的だった。

今回、JET内の点検作業として、施設全体のマッピング、環境についてのセンサー数値の取得、運転停止プロセスに関わる障害物や作業員の回避などを行った。これらに対処するため、UKAEAの点検用搭載装置をORIのローカライゼーションおよびミッション自律ソリューションに統合した。これをBoston Dynamicsのハードウェアおよび衝突回避技術と組み合わせることで、ロボットの能力を高めた。

このロボットシステムがJETの環境と全体的な状態に関する重要なデータを1日2回収集する。これにより、人間による点検を完全に自律的なプロセスに置き換えることの実現可能性を評価した。

その結果、自律型ロボットが安全性を高め、コストを削減できることを実証できたという。これらの次世代システムは、原子炉の運転停止や環境の浄化、災害救援などでも利用できる段階になりつつあるという。

fabcross for エンジニアより転載)

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