JR西日本とJR西日本イノベーションズ、セレンディクスの3社は、老朽化した駅舎を、建設用3Dプリンターを使って建て替えることを以前から検討していた。今回はその建設の第1弾としてJR紀勢本線 初島駅（和歌山県有田市）の駅舎を3Dプリンターを使って建て替える。JR西日本によると「3Dプリンターによる駅舎建設は世界初」となる。

建設する駅舎は、面積10m²弱の平屋建てで、高さ約2.6m、幅6.3m、奥行2.1m。壁面には有田市の名産物であるミカンやタチウオをイメージした装飾を施す。

建設は、まず基礎部分を含む外形を建設用3Dプリンターで出力。出力したパーツに鉄筋／コンクリート充填などを施した上で、現地でクレーンを用いて組み立てや接合を行う。現地での施工時間は終電後から始発までの約6時間で施工する予定だ。

3Dプリンターによる工法では、従来工法より工期の短縮が期待できる。従来のプレキャスト工法と違って型枠が必要ないため、造形の自由度も高まる。

今後は、建設や維持管理に必要なコスト効果を詳細に検証した上で、他駅への展開の可能性を検討する。