イベントレポート
ミサイルを発射して妹系お掃除ロボと戯れるTMCNイベントに潜入してきた
個性的な作品とMakersのデモ&ライトニングトーク大会
イベントの終盤では、参加者の活動や作品を紹介し合うライトニングトーク(数分程度で行われる短いプレゼンテーション)の時間が設けられるのがTMCN総会のお決まりだ。毎回、個性的な作品と発表がイベントを盛り上げる。
IMJ R&Dチームの加茂氏、田野氏によるOculusRiftを使ったソフト「360°ホラームービー」の紹介。社内での試作品がTSUTAYAでのプロモーションイベントで使用され、連休の渋谷に絶叫が飛び交った。
続いて、Wi-Fi機能搭載SDカード「FlashAir」を搭載しWi-Fi経由でコントロールできるネコ型ロボット「Gatito」(今岡通博氏)、私たち「ものづくり応援メディアfabcross」、福島中心で活動するITコミュニティー「エフスタ!!」(影山哲也氏)、テクノロジーを集結させた未来のお葬式が体験できる「インタラクティブお葬式」(坪倉輝明氏)、100円ショップで開発するVRゴーグル「100LUS DK1」(谷口直嗣氏)、子ども向けロボット教室を開催するNPO「ロボロボCLUB」(高野太郎氏)といった多種多様な発表が行われた。
見よ、これが日本の家電メーカーの実力だ
ライトニングトーク大会の最後を飾ったのが、関西コミュニティーのハッカソンで生まれたアイデアをシャープの技術力で製品化した「COCOLOBO 妹ver.」の発表だ。シャープ開発者の徳永氏は、「こんな家電はシャープでなくて誰がやるんだ」と熱く語る。
家電を“ツンデレ”にできないかというハッカソンでのアイデアから始まったこの製品。ツンデレと妹属性を搭載したこのお掃除ロボは、朝優しく起こしてくれる機能を搭載しつつ、機嫌が悪い時は、ツンツンした感じの返事をしたり、あえて無視したりするという。一見すると萌え系で、一部の人に向けたパロディー製品に見える。しかし、機能は先端技術の結晶だ。詳しくは製品サイトに譲るが、驚いたのは、クラウドとの連携による天気予報通知機能だ。郵便番号を登録することで、細かい地域の情報に対応した詳細な天気を教えてくれる。クラウド連携することで正確性も追求していて、全くオマケ的な機能ではない。また。COCOLOBOの最上位機種をベースにしており、もちろんお掃除機能も最先端だ。
ソーシャルな時代の新しいものづくり
今回のイベントでは、個人の作品と企業チームの作品が区別なく参加していることがとても印象的であった。個人は個人、企業は企業という従来の垣根がソーシャルな時代では、ものづくりの分野でも少しずつ変わってきているのではないだろうか。TMCNはセンサを肴にお酒を呑む宴会のようなコミュニティーだ。このようなコミュニティーには、企業で働く人/個人で働く人、エンジニア/非エンジニア、いろいろな立場の人が集まる。しかし、ここに集う人にとって、ものを作る楽しさは共通の思いだ。それぞれの作品報告やさまざまな分野の技術発表、また何気ない会話を通して得られる発見や驚きが、それぞれの立場でのものづくりに生かされ、新しい作品や製品が生み出されていく。
fabcrossでは、今後もものづくりコミュニティーの活動をレポートしていく予定だ。